新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

ストローク論(3)


今回でストロークの話は一旦終了です。

 

 

 

 

 

 

 

さて。(最終回なので真面目にいきます)

プラスのストロークとは相手を肯定する行為

マイナスのストロークは相手を否定する行為

と、前回前々回と説明しましたが。

 

最後に僕が言いたいのは。

「介助する」って行為はどっちのストローク?
プラスなの?マイナスなの?ってことです。

 

もっと突っ込んで言えば

「介助する」って行為は、やり方しだいで
マイナスのストロークになりかねんよ!ってこと。

 

相手が

『世話になってて申し訳ない』
『手伝ってもらわなきゃ何もできない』
『こんなことも一人でできなくなったのか』
『自分は価値のない人間になってしまった』

って思っているとしたら…。

 

相手を肯定していないですよね。
むしろ価値のない存在にしちゃってます。

 

こう思われていたら「介助する」行為は
マイナスのストロークになりかねません。

 

加えて

「介助された」お年寄りのほとんどは
プラスのストロークを相手に返します。

『世話になって申し訳ないね』
『いつもありがとね』
『あなたがいて助かったよ』
『こんなばあさんに優しくしてくれてありがとう』

 

迷惑かけてる、世話になってる手前、
感謝の気持ちを伝えていかなきゃ。

そりゃもうプラスのストロークを出しまくりです。

お年寄りはなけなしのストロークをしぼって
職員に感謝の気持ちを伝えていきます。

 

一方、職員はプラスのストロークもらえて
嬉しいもんだからどんどん「介助」しちゃいます。

 

これってヤバくね?身ぐるみ剥がされてね!?

 

お年寄りに「ありがとう」って言われて
浮かれてる職員にひとこと言いたい!!

 

このぉ、ストローク泥棒め!!

 

介護が必要となったお年寄りは。

ふがいない自分を精一杯受け容れようとしながら
介護されることに折り合いをつけようとしてるのです。

内心家族から見放されたって思ってるのかもしれません。
今さら自分の価値なんて見出せてないかもしれません。

 

ただでさえストローク不足なんです!

 

だからこそ。

『世話になって申し訳ない』『価値がない』
と思ってしまう気持ちを和らげていくためにも。

僕たちはプラスのストロークで包んでいかなきゃ。

「介助する」って行為を、マイナス要素にせず
プラスのストロークに変換して関わっていかなきゃ。

「介助する」って行為に、できるだけたくさんの
プラスのストロークを盛り込んで関わっていかなきゃ。

 

介助をするときに、関わるときに、

「相手の努力を評価する」
「優しく触れる」
「言葉遣いを丁寧に」
「真意に耳を傾ける」
「感謝を伝える」
「目を合わせる」
「ペースに合わせる」
「笑顔を見せる」
「尊重する」

などなど。

相手を肯定する行為プラスのストロークを
たくさん盛り込みながら関わっていきましょう。
そうやってその人の存在価値を認めていきましょう。

こんなんそんなに時間かかりませんよね?

 

でも。

その態度が相手を尊重することの第一歩です。

その一瞬一瞬の関わりを大切にできるか。

それとも単なる介助で終わらせてしまうか。

プラスのストロークをたくさん盛り込むか否か。

それを心掛けるかどうかで、必ず違いが出てきますから。

介護短歌

「介助する」
ひとつひとつの
関わりに
たくさん盛り込め
プラストローク

プラスのストロークを盛り込もうと意識すれば…

自然と言葉遣いが丁寧になるはず。

急いでいようが足をとめるはず。

ゆっくりと丁寧に関わるはず。

相手のできることを引き出すはず。

できたことをちゃんと評価できるはず。

訴えにちゃんと耳を傾けるはず。

目線を合わせ笑顔で対応するはず。

介助は強引なものにならないはず。

声かけをしっかり行ってから行動するはず。

こちらから「ありがとう」の言葉がでるはず。

「介助する」から「介助させていただく」になるはず。

あなたの介助によって相手は未来や希望を描けるはず。

 

たったひとつの関わりにも…。接点にすれば短い時間でも…。

これだけのプラスのストロークを盛り込めるはずなんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストローくん3

最後に来ましたストローくんwww

3回連載だった【ストローク論】いかがでしたか?

【たなかいご】って実は、ストロークに
こだわって記事を書いてる節があります(笑)

 

特に

介護の話<舞台編>(ステージアップのお話です)

はまさにストロークの要素が満載です。

 

他にも伝えたいことがたくさんありますが
それはまた別の機会にお話しますね。

長々お付き合いいただきありがとうございました!


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