新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

変わり身の術


おばあさん(当時82歳)が機嫌が悪い。

話しかけようもんなら怒鳴られる。
こちらの言うことなんざ聞く訳もなく、
日中からトイレにも全然行ってない。

ナイフみたいにとがっては、触るもの皆傷つけていた。

夕食後、僕は勇気を出して話しかけてみた。

「おばあさん…」

「うるさい!バカ野郎!!」

やっぱりダメだ…。全然聞く耳をもたない。

おばあさんのイライラが募っていき
僕にとにかく当たってくる。

他の方々は早々に休まれ
彼女と僕は重たい空気に包まれていた。

と、そこに他部署の男性職員がやってきた。

何も知らない彼は、まだ寝ていない
彼女に話しかける。が、しかし…

「何しゃんだ~!このうすら馬鹿が~!!」

ぷぷぷっ怒られてやんの。

とりあえず僕は彼女の視界から離れ、様子観察。

彼は懲りずに話しかけるが、彼女の怒りは収まらない。
ストレスがたまりにたまっている。もう爆発寸前www

彼もそれが面白いのか、彼女にちょっかいを出し続ける。

これはチャンス!!
(こいつを悪者にしてしまえば…)
僕はそこに仲裁に入った!

「お…おばあさん!大丈夫ですか!?
ほんとにこいつ腹立ちますね!
僕がガツンと注意しときますんで!」

「こいつどうにかしてくれ!」

「はい!僕に任せてください!
お前どっか行けよ~。
おばあさんが可哀想じゃないか!」

ここぞとばかりに、僕は彼女を奴の魔の手から救い出した!

「おばあさん、奴にはよく言っておきますから。
僕は…、僕だけはおばあさんの味方ですからねっ!」

「ああ、ありがとう」

怒っていた彼女は、僕の優しさに触れ、落ち着きを取り戻す。
トイレにもちゃんと行ってくれ、そしてそのまま入床しましたとさ。

めでたしめでたし。

う~ん、僕っていい奴~♪

最後には「お前さんはホントいい人だ」と、
僕を養子にしてくれるとまで言ってくれました。

財産期待してますよ~、おばあさん(笑)

介護短歌

不穏時も
何かを求め
誰かを求め
矛先を変え
自分は味方に

絶妙なコンビネーションで乗り切ることができたあの日。

彼にはホント感謝しています(笑)


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