新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

実習での”ビックリ”から学んだこと<その2>


デイサービスでの実習を終えた学生の「ビックリ」体験、第2弾です。

新潟医療福祉大学の介護コース1年生は、現在約30名。4名くらいずつに分かれてグループワークで実習を振り返ります。

各グループを回りながら、つい、足が止まりました。

DSC_0882

 

 

「介護士は低賃金なので、若いうちに結婚できないと思っていた」

このグループで話題になっていたのは、「結婚

そして、介護職の「処遇問題

 

 

実習先で、結婚している職員さん、お子さんがいらっしゃる職員さん、しかも若手・・・という彼らのイメージを覆す存在に出会っての驚きだったようです。介護職に対して抱いていたステレオタイプが崩れた瞬間でした。

でも、間髪入れず

「子どもがいる人って女の人じゃない?きっと、旦那さんの稼ぎがいいからやっていけるんだよ」

あらあら・・・(;´∀`)

介護職に対するステレオタイプが崩れたと思ったら、今度はジェンダーステレオタイプ登場!

ステレオタイプというのは、若くても多重にこびりついているものなんですね。

その垢みたいにこびりついたステレオタイプが姿を現したとき・・・すかさず、「介護イケメン」の登場です☆

DSC_0468DSC_0430

2016年のフォトコンテスト「ステキすぎる介護イケメン」のグランプリに選ばれた和田さん(左)、準グランプリに選ばれた澤田さん(右)を「新潟の介護がよくわかる総合ガイド」を見せながら紹介!お二人ともご結婚されていて、お子さんもいらっしゃいます。和田さんはマイホームも手に入れたそう。澤田さんは、新潟医療福祉大学の卒業生ということもあり、学生たちは興味津々!

「めっちゃイケメンじゃないですか!」

身近に、目指したくなるロールモデルがいるというのは大事です。将来の自分の姿を重ね合わせ、投影できるから。

不思議なのは、彼らは「介護士は低賃金なので、若いうちに結婚できない」という思い(込み)がありながらも、なぜ介護職に就くことを目指して介護を学ぶ道を選んだのか、ということ。

18歳、19歳の彼らにとっては結婚はまだ現実味がないのかもしれません。でも、それだけでは、「賃金が安いので結婚できない」職業を選択する理由として説明になりません。「やりがい」というキーワードが出てこなくもないですが、彼らにとって「やりがい」も「結婚」と同様にまだ、リアルじゃない。

聞いてみると、介護の仕事は「なんか、カッコいい」のだそうです。現実味をそれほど伴っていなくても、そう思える経験やきっかけが、それぞれにあったのでしょうね。

残念なことに、「介護職は賃金が安いから他の進路を考えた方がいいのではないか」という「進路指導」が少なからず高校などで行われている現状。でも、そんな「指導」を振り切って(?)、志を貫こうと介護の道を選んだ学生たち。

 

(なんとなく)「介護の仕事、カッコいい!」

入り口は、それでいいと思います。

これから、そのカッコよさを伝えるという重要な役割を担った介護男子たち(女子も)

仕事に見合った処遇の実現のために、その処遇に見合った仕事を生き生きとする姿を社会に見せていくことは大事ですね!

そろそろ自分の老後が気になり始めたワタシの希望の光でもあります(笑)

 

 

 


About the author

五十嵐 紀子

未来の介護福祉士が現場実習で学んだこと、教室で学んでいることのあれこれを、コミュニケーション研究者がつづります。介護の世界は驚き・感動・発見もりだくさんのワンダーランド。介護におけるコミュニケーションの難しさとおもしろさ、介護職のカッコよさを伝えます!