「リハビリの時間ですよー」
「まだリハビリが必要ですねー」
「あとはリハビリ頑張るだけですねー」
業界内でよく聞く言葉を上げてみました。↑のリハビリって言葉、全て「身体機能訓練」もしくは「理学療法/作業療法/言語療法」って意味合いです。
本当はそうじゃない事、このブログ読者の皆さんならすでにご存知ですよね?リハビリテーションを進めていく一手段であるところの「リハビリテーション医療」の中の、またそれぞれ一手段が、「理学療法/作業療法/言語療法」です。
では、「リハビリテーション」とは何か?まずは教科書的に。
WHO(世界保健機関1981年)による定義
リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。
リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。
そして、障害者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない。
WHOのマーク。この棒と蛇の意味は知っていますか?
私個人的には、ちと気に入らないです(^^; そんなに取り扱いテーマを狭めるなよ~って
よい定義だと思います。細かい議論は省きますが、本稿で強調したい第一点は、
『リハビリテーションとは、技術である前に“理念・思想”である』
ってことです。
だから、リハビリテーションの一環としての理学療法訓練もあるし、リハビリテーションとは関係ない?理学療法訓練だってあり得ます。つまり、『リハビリテーションの理念に基づかない、リハビリテーションの思想に裏付けされていない理学療法訓練は、リハビリテーションではない、リハビリテーションにはならない。』ってことです。当たり前すぎて、なんだか表記するのも恥ずかしいようですが。
同じことは、他の色々な技術にも言えますよ。例えば、介護/福祉用具/行政サービス/ケースワーク、、前回の言い訳ブログで、「全ての技術には思想や理念がある(べき)」と書きました。その、背景となる理念・思想が、本来の意味での「リハビリテーション」であってほしい、と思うわけです。
リハビリテーションの理念に裏打ちされた介護、実践できていますか?そもそも技術として確立されているでしょうか?リハビリテーションの理念に裏打ちされた福祉用具活用、できていますか?その福祉用具の利用目的は、なんでしょうか?
でも、どんなに立派?な理念を持っていても、その理念の実現のための技術が伴わないと、ただの「絵に描いた餅」にすぎないことも間違いありません。
で、重度な寝たきりの方々に対する支援技術には、まだまだリハビリテーションを進めるための技術的検討の余地がある!と思っているわけです。そしてそれが、従来の狭義の「医療」や「介護」とかの枠振りに当てはまりにくいかも?!と思うんですね。
さて、お読みの皆さんは重度な寝たきりの方々にとっての「リハビリテーション」て、具体的はどういうことだと思いますか?『重度の寝たきりさんの社会的統合を促す』ってどういうこと?どうなること、でしょう?その実現のための技術とは、どのようなものになるでしょうか?そんなことが、本ブログのテーマです。が、これまでにもそれに関することをつらつら書き綴ってきているつもりです。