新潟医療福祉大学の介護コースの学生たちは、1年生の夏休み、デイサービスでの実習を行います。
夏休み明け、対人コミュニケーション論という授業の第1回目で、「実習で驚いたこと」というお題でグループディスカッションを行います。
まずは、驚いたことを付箋に書いて、ペタペタ、ペタペタ・・・
書きながら、実習の時のビックリ話に花が咲き、「そうそう!」「えー!マジ!?」などと賑やかな声が聞こえてきます。
ひとつのグループを覗いてみると・・・
自分ができると思っていたことが意外とできなかった (;゚Д゚)
どういうこと?と聞くと、例えば、「自分で靴下を履くことができない利用者さんに靴下を履かせてあげる、ということとか、こんな日常のことくらい簡単、できるはず・・・と思っていたことが、ことごとくできない自分自身に対し、人間力ないなぁとショックを受けた」のだそうです。
そこからディスカッションは発展し、介護福祉士を目指して学んでいるのに、介護現場で実習生が任される介助は「誰でもできる簡単なこと」と思っていた。介護は大変だけれどもやりがいがある素晴らしい仕事、と思って学んでいたはずなのに、知らず知らず「簡単なこと」と思い込んでいた・・・。
この気づき、すごいです!
何がすごいかというと、介護職に向けられた世間からのステレオタイプなまなざしが、介護職を目指している自分たちの中にもあった・・・という気づきにつながったからです。
「ステレオタイプなものの見方は、良くないです!気をつけたいと思います!」
と天真爛漫に前期の授業で言っていた学生たちではありましたが、現場に身を置き、素肌感覚で現実に触れることで、ステレオタイプというのは、思ったより頑固で、しつこく自分の中に隠れているものなんだ、ということを実感したようです。
ステレオタイプは「気をつけてさえいれば克服できるもの」ではどうやらないらしい。。。
人って、こんな風に自分の中のステレオタイプの存在に気づいて驚く経験の積み重ねで成長していくんだなぁ、としみじみ。
自分たちの気づきを発表する学生たちの姿のカッコよいこと!
実習のビフォーアフターで、間違いなくカッコよさが違います。
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