新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

私が「福祉用具オタク」になったワケ  その2


どうも福祉用具オタク、バガボンド・テルこと徳橋です。

今回も前回に続き、私のことについて書き記します。

住宅改修では「トイレ」の改修依頼が多く、トイレだけ手を加えても意味がない。寝室(居室)からトイレまでの動線を見直し、考える必要がある。などを説明しても理解していただけないお宅が多く、改修内容の検討・相談に時間がかかりました。

今思えば、理解していただけなかったのは、私のプレゼン能力不足によるモノが大きいように思えます。

p_rooms_04tototesuri-thumb-269x237-308トイレの改修で言えば「トイレの壁にL字型の手すり」がド定番でした。が、私が働いていた土地柄で土地は豊富にあることから、トイレも広く造られているお宅が多く、便器とトイレの壁に距離があるところが多かったので、トイレの壁にL字の手すりを付けても使えない。というお宅が多く「TOTOのトイレガード」のお世話になることが多かったです。

 

 

 

 

 

 

2増築により、増築前後の家屋に20cm、30cmの床段差がある。という状況が、どこのお宅でもあり、「常識」のようになっていました。屋内に20cm、30cmの床段差も驚きですが、そこへ急角度のスロープを付けているお宅も少なくありませんでした。それだけでも非常に危険なのですが、日々の生活により慣れてしまい「危険なことを危険なことと認識していない」ということが最も危険なことである。と、肌で感じることができました。「危険なことを危険なことと認識していない」という意味では、20cmの床段差より、3、4cmの床段差(廊下・居室間によくある段差)、2cm以下の床段差(カーペット等の敷物や電気コード、畳の縁)の方が危険なことなのかもしれません。

 

 

できることなら自分のことは自分でしたい。という「当たり前の気持ち」を理解してもらうことができないとき、ヒトは「諦める」か「横柄な態度をとる」かのどちらかのようです。何をしても「良いか・悪いかを言ってくれない。」「怒ってばかり、怒鳴ってばかりいる」等々、そのどちらの態度も介護者家族には困ったことなのです。

「人間(家族)関係のバリアフリー」や「遠慮や気遣いといった気持ちのバリアフリー」等々、難解な問題を住環境整備実施したことで解決への糸口を作ってくれた。という経験を得ることができました。

「目に見えない」という意味では「温熱環境のバリアフリー」を行なったお宅が印象深いケースでした。そちらのお宅は、なぜか浴室内に外へ通じる引き戸があり、すきま風が入り放題でした。そちらのお宅では、これまで浴室内でにて脳卒中の発作を起こし、2人も倒れている。という実績もある非常に危険な浴室でした。(当然といえば当然ですが・・・。)

今までの経験で感じていることは「人は前向きな気持ちになると変わります。反対に後ろ向きな気持ちになっても変わります。」ということです。痛感しております。

住環境整備実施時期については「〇〇ができなくなり、困り果ててしまってからでは遅い」ということが言えると思います。私の少ない経験上、そうなってから住環境整備実施したお宅より、「より便利に・より快適に」と、困り果てる前に実施したお宅の方が、悪くなりにくいように思います。病気やケガなど(一次被害)で動きが悪くなっても、既に住環境整備実施されている状況下であれば、日常生活に支障をきたすこと(二次被害)が少ない。ので、「それだけ人の世話にならないで済む」ということが原因のように思います。

〇〇ができなくなってしまう(喪失体験)ことで「自身を失う。」「失敗を恐れて行動しなくなる。」となってしまい、「より動かなくなり、出来ていたこともできなくなってしまう。」という状況が生まれます。同じようなことが幾度もおこったり、長く続いたりすることで「要介護者」が生み出されてしまいます。

それを避けるためには、〇〇をできやすくする。つまりは「失敗しにくくする。」ことが大切なのです。「自身」を失ってしまうことを避ける。「自身」を取り戻す。という必要があるのです。その為には「リハビリテーション等の訓練」も良いのですが、それだけでは足りないのです。

いくら周囲から「頑張れ」と言われても、人はそうそう頑張り続けることはできないのです。ですので、「あまり頑張らなくても出来ちゃう環境を作る」ことが大切です。人間という生き物、人の心は複雑ですが、単純な一面もあるようで、「できる」「褒められる」ことは嬉しいので、繰り返し行います。行なえば行なうほど「〇〇ができる」ようになっていくのです。

 

 

 


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