新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

施設慣れ?したおばあさん【後編】


施設慣れ?したおばあさん【前編】の続きです。

 

そして早番だったある日。

 

いつもオーバーアクションの僕だったが、
その日はあえてクールに入室して
トイレの扉に貼り紙を貼ってみた。

 

トイレに行きたくなったときは
いつでも声かけてください。
協力させていただきます。

   スタッフ一同

 

おばあさんは一生懸命貼り紙を見て、ちらっと僕を見る。
僕は親指を立てにっこり。グッジョブと言わんばかりに。

 

どうせ言ったところで遠慮するんだもの。
何も言わず、視覚に訴えかけてみようじゃないか。
後はおばあさんがこれを読んでどう感じるかだ。

 

 

 

 

なんと効果はすぐに出た!
朝食後、彼女は僕に訴える。

 

『便が出たいんだけど…』

 

きたきた~!僕のオーバーアクション再燃!

 

「手伝いますよ!てかこの右足さえあれば
ご自分でトイレ行けますって。僕はなるべく
痛みがないようにお手伝いするだけです!」

 

彼女は上手に右足だけで立ち、トイレにちゃんと座ってくれた。
僕はコールの場所を伝えて、席をはずして廊下で待つ。

 

ドキドキ、ドキドキ。
緊張しちゃって
仕事どころじゃない。

 

これが出産を待つ旦那さんの心境なのか?(笑)

 

そうなんだ。

 

おばあさんにとっては新たな人生の始まりじゃないか。
(正確には再出発かな)

 

時間はそれほどかからず
すぐにコールが鳴った。
どうやら安産だったらしい。

 

僕はおばあさんの元に駆け寄ると…。

 

便器の中には、それはそれは
可愛い玉のような赤ちゃんがwww

 

僕は嬉しくって心の中で名づけ親になってみる。

 

(生まれてきてくれてありがとう。
今日からお前は【うん子】だよ)

 

彼女は『よかったぁ~』とすごく良い表情を見せ、僕に微笑みかける。

 

その喜びの表情を見て、僕は思わず「グッジョブ!」と言ってしまった。

 

 

介護短歌

 

なんて。実はこの話にはまだ続きがあり。
これからが彼女の主体性の復活を物語る。

 

おばあさんは調子に乗ったのか僕に話しかけた。

 

『服が汚れてて。風呂に入りたいんだけど…』

 

僕は喜びを堪えて冷酷?に切り返す。

 

「残念。今日は寝て入る風呂(特浴)はないんですよ。
…でも。座って入る風呂(一般浴)ならあるんだけど…」

 

おばあさんはしばらく考えて返事した。

 

『じゃあその風呂に入ってみようかな』

 

そして午後になり入浴の時間。

 

おばあさんは右手を使い、なるべく自分で服を脱ぎ
脱いだ服は、もちろん洗濯機の中に入れてくれた。
そして自分の意思で上手にお風呂に入ったのだった。

 

トイレやお風呂を通して、自分でできることの
喜びと必要性を思い出しつつあるおばあさん。

 

今までやりたいことを我慢させましたね。
これからはやりたいことやっていいんですよ。

 

動く右側を使って、できないところは僕たちが
協力しますから。あなたらしく生きてくださいね。

 

介護短歌

遠慮して
我慢していた
主体性
介護の気づきが
活きるを引き出す

 

これからがスタートです。
ここからが努力の始まりです。

 

僕たち介護は、彼女が痛みを苦痛って思わないように
自分でできることの喜びと必要性を感じてもらえるように
彼女の【できること】を信じて、支援を続けていかなきゃ。

 

だって。

 

いつでも声かけてください。
協力させていただきます。

 

って約束したんだから。


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