新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

なぜ介護職にはメンヘラが多いのか?(2)


前回の続きです。

 

介護って『お世話をする場』ではありませんよね。

 

でも人間ってやはり

『ありがとう』って感謝されることに喜びを感じます。

 

この会社のように。

 

『ありがとう』を集めたがってますwww

 

でも、そういった感じで介護に臨むと
結局お世話になりがちになってしまいます。

むしろお世話をしたいがために介護に入る人も(爆)

 

これはメンヘラに限った話ではなく。

人って自分より『弱い者』を見つけると、心の中で
可哀想って思いつつも、ちょっとした優越感に浸れ
そして自身の価値を再確認することができるのです。

 

その人に愛されるんじゃないか

その人にほめられることをしよう

その人の役に立つんじゃないか

その人に必要とされる存在になろう

てね。

 

もしくは…

その人より愛される存在じゃないか

その人よりほめられる存在じゃないか

その人より役に立つじゃないか

その人より必要とされてるじゃないか

って優越感を感じたい人もいます。

 

その弱き者を救えば、いっそう優越感アップですから。

 

残念な発想ですね。

 

でも、これってありがちな感情なんですよw

 

【メサイヤコンプレックス】ってやつです。

 

が、露骨にそういう風に感じたい人たちにとっては
介護現場は思いのほかツライ環境になってしまいます。

 

お世話をしているのに『ありがとう』って言われない。

感謝どころか抵抗される。

なかなか結果が目に見えてこない。

上司からも全然評価されない。

給料が上がらない。

などなど。

 

実際には評価されにくい環境に
あるのが介護現場なのだから(笑)

 

なので上記のような気持ちがある人には
『介護はお世話ではない』ということを
強く伝えていくことが大切だと思います。

 

さもないと

 

自分は超いいことしてるって疑わず

お世話してやってる感が抜け切れず

いつしか言葉遣いもゆるゆるとなり

こちらのペースに巻き込もうとしたり

従順なお年寄りには優しいものの

言うこと聞かない利用者は問題扱いし

ついには強い口調で叱責・罵倒しはじめる

 

そしていつしかその傲慢な態度は

 

他の職員に八つ当たりのような形で現れ

言うこと聞かない利用者の愚痴を延々と聞かされ

だったら辞めればいいものを仕事の不満を言い続け

それに同意を求められ、仲間を作り派閥を作り

分け隔てない優しい職員を否定しはじめ

地味なプレッシャーで利用者のみならず職員を追い詰め

メンヘラ気質をどんどん感染させていく…

 

といったタイプに進化していく可能性大ですから。

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なのでもし、その旨を伝えても分からないようであれば
その方は介護の仕事に勤めるべきではないと僕は思います。

 

もう一度言います。

 

伝えても伝えても分からないのであれば
介護の仕事に就くべきではないと思います。

 

でないと、とんでもないことになりますから…。

 

(この話はまたいつか…)

 

てなわけで本日は

 

②介護をすることで心が病んでしまう

の説明ですが、最初に書いた①とは
別に考えていただければと思います。

 

なぜなら結論から言ってしまうと

 

心に病気を抱えていまった人すべてが
介護に携われないってわけではないですし。

 

てかむしろ。

 

『介護をすることで心が病んでしまう』人の中には、
介護として素晴らしい才能を持ってるのにも関わらず
仕事が継続できなくなってしまう方もいますから。

 

さて。

 

①については『ストローク』を使わずに説明しましたが、
②は『ストローク』に基づいて説明したいと思います。

 

その前に復習!

たなかいご【ストローク論】

 

ストロークとは

・他者に対する自分の表現
・他者に関わる行為すべて

を指し

 

相手を肯定する行為はプラスのストローク
(例・褒める、笑顔を見せる、評価するetc)

 

相手を否定する行為はマイナスのストローク
(例・けなす、叱る、たたくetc)

 

って言われています。

 

ストロークは心の栄養といわれています。

お腹が空けば食べ物が欲しくなるみたいに
心の栄養不足になるとストロークを欲します。

 

そしてストロークはお金のように貯蓄ができるそうです。

受け取ったストロークは貯まっていき
与えたストロークは減っていくってこと。

 

優しさをたっぷり受けた人は優しい人になる。

プラスのストロークが貯まっていき
自分自身もプラスを与えられる人に。

 

怒られてばかりの人はピリピリした人になる。

マイナスのストロークが貯まってしまい
自分もマイナスばかり吐き出してしまう人に。

 

これをストロークバンクと言います。

 

何度も書いていますが

人は『ありがとう』って感謝をされることで喜びを感じます。

 

これは相手から『感謝される』というプラスのストロークを
もらうことで、心の栄養を得て、自己重要感を高めてるのです。

 

それこそ『ありがとう』って言葉には

人に愛される

人にほめられる

人の役に立つ

人に必要とされる

といった要素がたっぷり含まれていますから。

 

だから『ありがとう』が求めたくなるのです。

 

でも。

実際に介護現場は『お世話をする場』ではないので
『ありがとう』の言葉がもらえないときが多々あります。

 

いやむしろ。

こちらが『ありがとう』を伝える場面のほうが多いでしょう。

 

介護っていうのはストロークを
与える作業だと僕は思います。

 

なぜなら介護は

尊重する

気遣う

相手のペースを守ってあげる

相手を評価してあげる

相手を認めてあげる

の繰り返しで関わりますから。

 

むしろ相手には『ありがとう』を伝え

『お世話をする』ことなく相手を尊重し

自分自身を省みることなく

真摯に相手のことを思いやり

ましてや上司の評価を期待することなく

給料が安かろうがそれに不満も持たず

毎日毎日、プラスのストロークを与え続けます。

 

心の奥底で

人に愛されたい

人にほめられたい

人の役に立ちたい

人に必要とされたい

と願って、飛び込んできた介護という仕事。

 

そこを願って入職してきてる時点で
心の栄養が不足してるかもしれないのに…。

本当は自分のほうがプラスのストロークを
欲しているのかもしれないってのに…。

 

相手を思いやることのできる介護職は
プラスのストロークを大盤振る舞いします。

 

心の栄養が不足していようが、ストロークバンクの貯蓄が
少なくなっていようが、お構いなしで頑張ってしまいます。

 

…もうお分かりですよね。

 

それを繰り返すことで、いつか介護職の
ストロークバンクは底をついてしまいます。

 

俗にいう『燃え尽き症候群』です。

 

『なぜ介護職にはメンヘラが多いのか?』
という挑戦的なタイトルを掲げましたが…

 

僕が言いたいのは

これは誰にでも起こりうる

ってこと。

 

メンヘラ気質は特別なことでもなんでもない。

ましてや心の病気を抱えた人が悪いわけじゃない。

 

メンタルが弱いとか融通が利かないとか
そういう単純な問題だけじゃないんです。

 

ストロークが底をつけば誰にだって可能性はある。

 

メンヘラっぽくなっちゃうことだって
心の病気になってしまうことだって
燃え尽きてしまうことだって…。

 

一生懸命になればなるほど
その可能性は高まるんです。

 

真意はどうであれ『この仕事をしよう』って
介護の仕事に飛び込んできた人は少なからず

人に愛されたい

人にほめられたい

人の役に立ちたい

人に必要とされたい

と思っていたことでしょう。

 

自分の心の栄養が枯渇しそうだっていうのに
ストロークを与え続けようとする利他の心。

一生懸命に頑張れば頑張るほど
枯渇していくストロークバンク。

そういう人が燃え尽きてしまうのは
あまりに悲しい出来事ではないでしょうか。

 

そのひたむきな才能を失ってしまうのは
あまりに大きな損害だと僕は思います。

 

介護短歌

介護職
自分のケアを
後回し
与え続けて
心を削って

【最終回予告!?】

介護のメンヘラには大きく分けて

どう頑張っても向いてないタイプ

向いてるかもけど燃え尽きやすいタイプ

の2つが存在する。

 

だから着地点が面倒くさいことにwww


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