認知症になっても、一般の人と同じような環境で


先日、スウェーデン人講師による認知症ケアのセミナーを受講しました。スウェーデンのグループホームでは「施設のルールに入所者が合わせるのではなく、スタッフは施設を入所者の家として考え、出来るだけ制限をしないで、入所者の自己選択を第一に考える」というお話でした。講師からは「例えば、ワインが好きな人が、認知症になって施設に入所したからといって、飲酒を制限されるのはおかしいのです」という説明がありました。

これに対し、セミナー参加者の介護専門職より「飲酒などについて、糖尿病の人にはどうしますか」という質問がありましたが、講師は「病気に目を向けるよりも、残された人生で、その人の好きなことをしてもらいたいという考えが大事です」と返答されました。

我が国の施設ケアは、安全や危険回避を名目として、職員が入所者を管理しやすいようなルールを定めてはいないでしょうか。たとえ介護が必要になっても、認知症になっても、その人らしく自己選択や自己表現ができて、一般の人と同じような当たり前の暮らしを送ることができる施設が増えることを望みます。

 


About the author

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です