災害弱者の支援体制万全に


東日本大震災では、再三の避難勧告にも応じずに「寝たきりの夫がいるので避難所には行けません」と悲痛の表情で訴えた奥様の姿は、今でも忘れられません。また、新潟県中越沖地震でも「認知症の妻が落ち着かず、迷惑を掛けるので避難所にはいられません」というご主人の話を聞いた時、胸が苦しくなりました。

そして熊本地震でも、福祉避難所、人材の不足など、災害時に要介護者や障害者を支える体制が不十分だったことが明らかになりました。

新潟日報4月20日付の「福祉避難所に限界」において、熊本県益城町の町職員の「高齢者や障害者にきめ細かな対応をしなければならないのは分かっている。でも今は、他の避難者と区別して対応する余裕がない」という声からは、現場の混乱や職員の苦悩がよく伝わってきました。その一方で、最も辛いのは、要介護者や障害者とその家族です。

災害が起きる度に、このような問題が報じられます。災害は明日にもどこかで起こるかもしれません。国や行政は、災害弱者への支援が円滑に進むような施策を早急に立てて、万全な備えをしていただくことを強く望みます。


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