起きてはならない介護殺人


先日、NHKで放送された「私は家族を殺した『介護殺人』当事者たちの告白」を見て、私は何度も涙しました。番組の取材では、介護を苦にして家族の命を奪う「介護殺人」は去年までの6年間に、およそ2週間に1件の割合で起きていたという深刻な事態でした。

番組では、受刑中や執行猶予中の人から直接話を聞いていました。介護殺人は絶対に許されない行為です。その一方で、加害者に共通するのは家族を深く愛しながらも、殺害するしかないほどに心身共に限界まで追い詰められた、という厳しすぎる現実でした。また、加害者が孤立していることも共通していました。

孤立を防ぐ為には、介護家族の集いに参加するなどの心のケアが大切です。介護家族同士で、遠慮なく日頃の苦労を吐き出して、共感しあい、繋がることで希望が見えることがあります。

痛ましい事件を起こさないためには、在宅の介護者を支える介護保険制度の充実が不可欠です。しかし、2025年には介護職員が38万人不足するとの予測が厚労省から示されています。政府には、この深刻な問題と真剣に向き合っていただきたいのです。

 


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