新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

依存して何が悪い!!


介護保険制度に
「その有する能力応じ自立した
日常生活を営むことができるよう…」
というフレーズがありますね。

 

介護はこのように「自立支援」をテーマにしていますが
分かってはいるものの、ちょっと恐ろしさを感じています。

 

なぜなら。

 

要介護状態となって誰に頼らなければ生きていけない状態が、つまりは
相手に依存してしまう状態が悪いって言われてるように聞こえてしまうから。

 

人は子供のときには親や家族に依存し
大人になれば恋人や配偶者に依存し
病気になれば医療や看護に依存して
そして年を重ねれば介護に依存していく。

 

僕はそれが当然の生き方だと思っています。

 

しかし現場は、自立支援の幻想に惑わされ…

 

箸やスプーンを持たせたら持たせっきり…。
帰宅願望のある人には疲れさせるまで散々歩かせて。
プライバシーをはき違えて、不安な表情の人すら放置して。
トイレは無理だからって、オムツにしてからコールを押させている。

 

人に頼ることがさも悪いことのように…

 

やる気がない!などと問題提起し、
甘えてるだけ!と関わろうともせず
あなたの為にやっている!と強制して
できるんだからやって当然!と放置する。

 

「できないあなたが悪いのよ!」
とでも言いたいのだろうか…
これじゃ自立という名の拷問ではないか?

 

一人じゃできないことなんてたくさんある。
有する能力があってもできないときだってある。
気持ちがなかなか乗らずに力が出ないときもある。

 

『生きていてもどうしょもない…』
と希望を失いかけている人に対し
「もっと頑張りなさい!」ばかり
言ってていいものなのだろうか?

 

そこに「依存」があって何が悪いのか?

 

「自立」と「依存」は相反するものではない。
この二つはバランスによって成り立っている。

 

いざというときにいつでも「依存」できる。
そういった環境こそが人の体や心を動かしていく。

 

そうやって僕たちだって「自立」してきたじゃないか。

 

…。

 

そもそも僕たちは本当に自立しているのだろうか?

 

今の僕だって。

 

こうやってブログを書いているわけだが
皆がいてくれるからこそ頑張れている。

 

加えて、このパソコンだって僕が作ったわけでもなく
電器屋さんから買ったものであり、それを買うための
お金だって、会社からもらう給料があったからであって。

 

僕一人ですべてがすべてできてるわけじゃない。

考えてみたらそれだって立派な「依存」じゃないか(笑)

 

つまりは誰もが多くの人に依存しているってこと。

 

依存の割合が異なるだけで、誰もが誰かに
依存して生きていることを忘れてはならない。

 

人が一人では生きていけないのは当然。

人は人と共に生きてこそ「人」ではないか。

 

「介護」が必要になってくるお年寄りの孤独感を
埋め合わせるのは「自立」を支援することだけではない。

 

介護が、「依存」できる人間や環境を提供していくこと。

 

いざというとき、その「依存」できる愛や安心感が
あるからこそ、生きる糧につないでいけるのはないか。
そしてその糧が、人を「自立」へと導くのではないだろうか。

 

介護短歌

自立支援
あなたの為と
言う前に
まずは寄り添い
味方になること

 

お年寄りがその人らしく生きていく為にも、
僕たちは自然に依存ができるような関係となり
孤独を感じさせない援助が必要だと思います。
ルフィ生きてけない


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