新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

ステージアップの3ヶ条(1)


ステージアップをしていくために
最低限必要な3つの要素を紹介します。

中には『なんだそんなことか』と
思われる方もいると思いますが。

この3つの要素を、ただ単純にやっていくのと、
意識して行うのとでは大きな違いが出てきます。

ほら。筋トレがそうですが腹筋を意識してトレーニングするのと
ただ闇雲に腹筋していくのとでは、後々に差が出るでしょ。

それと同じようなもんです。

なので。

この関わりで相手のステージを上げてみせる。

って気持ちの素で関わってほしいのです。

そうやって意識していくことで
必ず何かしらの変化が出てきますし
それによって達成感を感じますから。

では、まずひとつめ。

第一条 整容で「見た目の改善」を。

当たり前ですね。

でもこれを意識して行ってほしい。

仮に髪がぼーぼーで、目ヤニだらけで、
口の回りがカピカピな方がいたとします。

正直その人と同じテーブルに座りたいと思うでしょうか?

普通座りたくないですよね。

加えて、ぼーっとした表情で、鼻水やヨダレたらして、
服がヨレヨレ、もしくはパジャマのまま。そしてなんか臭う。

そんな状態で 家族が会いに来たいって思うでしょうか?

できれば避けたいとこですよね。

てか。

当の本人だって人前に出たくなくなるレベルですよ。

公開処刑ですやん。

学生の頃、寝癖が直らず学校に行きたくなくなった。

女性であれば、化粧のノリが悪く外出したくなくなった。

男性であれば、生え際が気になり人目が怖くなった。

そんな感じです。

あれは自分のステージが下がったがために
人前に出たくなくなったって状態です。

ステージが下がると
他人の視線が気になり
ネガティブになります。

それを『大丈夫ですよー』なんて気休めを言わず
人前に出ても恥ずかしくない姿にしてほしいのです。

朝は鏡の前に立ってほしいのです。
そして綺麗になっていただきたい。

綺麗になったお年寄りに対しては
ちゃんと褒め言葉をかけてほしい。

本人のこだわりや頑張ってるおしゃれを
ちゃんと評価して賞賛してあげてほしい。

ここを意識してやってほしいのです。

分かります?

「僕はそのまんまの君が好きだよ」
って綺麗事で相手を認めるだけじゃなく
「君の○○な部分がとっても素敵だよ」
って言えるようにステージ上げろ!ってこと。

もちろん無条件の愛情は大事ですが…

相手がこだわってたり頑張っている部分を
ちゃんと認めること、評価していくことが
実は大切だったりします。いや、まじで(笑)

「俺は可愛いと思うよ」
って二人の世界に浸るのもいいけど
「俺の友達も可愛いって言ってたよ」
のほうがステージが上がるってことです(爆)

それほど周囲の評価って大切なんです。

たかが介護士が認めていようが
そんなん鼻くそ程度の評価ですよ。

お金もらってる時点でね。

所詮は介護される側と介護する側、たかが知れてます。

だからこそ。

介護士だけが認めてあげるよりも
家族をはじめ身内が認めるほうが
同年代のお年寄りが認めるほうが
価値が上がっていくってことです。

ステージが上がると
人前に出ようかなって
ポジティブになります。

本人の頑張っている部分が
職員が意識している部分が
他者からの評価や賞賛を得る。

素敵なことだと思いませんか?

価値が上がってますよね。
自信につながりますよね。

だからこそ。

他者から敬遠・無視されがちなあの人を
『見直される存在』に仕上げてほしい。

その第一歩が見た目の改善。

介護が思ってしまいがちな

「私たちがいるから貴方は大丈夫ですよ」
というのも分かりますが、そんな閉鎖的な発想ではなく

ステージアップを目標とした

「私たちが貴方を他者に認められる存在にしていきます」という
自分の自信と相手の評価に繋がる関わりを目指したいものです。

介護短歌

髪梳かし
綺麗な服着て
おしゃれして
まずは見た目で
ステージアップを

周辺症状ってのも見た目悪いですよね。

ところかまわず大声出したり
暴れたり飛び出そうとしたり

もしくは何でも口にいれたり
うんこをかまってしまったり

ステージだだ下がりです…。

てなわけで。

不穏にさせない。

というのもステージアップに有効です。

不穏にさせたままでいると
周囲の評価は必ず下がります。

「あの婆さんはうるさくてなぁ」

「職員に迷惑ばっかかけて」

「あんなヤツは早く病院に行けばいいんだ」

などなど。

こういった罵声は不穏の利用者にも届いています。
それを聞いた利用者はもっと不穏になりますから。

負のスパイラルです。

ここを介護士が守ろうが全然解決していません。
だって相手にはマイナスのイメージしか残らねーもん。

だからこそ。

ぜひぜひ「見た目の改善」を目指してほしい。

僕が言いたいのは。

「僕なら分かってるから大丈夫」っていう綺麗事で相手を守るのではなく
周囲からも評価や賞賛を得られる存在になってもらうことの重要性。

高齢化社会は介護士だけが守るんじゃない。

家族や地域、そして周囲の協力があってこそ守れるものだから。


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