新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

お風呂は主体性の宝庫です!


お風呂って危険ですよね。

滑るかもしれないし、
転んじゃうかもしれない。

かなりリスクがあることは確かです。

でも、このリスクって福祉施設を利用している
お年寄りにだけ存在することなんでしょうか?

在宅にいるお年寄りだっても当然に
感じていることじゃないでしょうか?

お家にいるおじいさん・おばあさんだって
足が悪かったり、体が効かなかったりで
お風呂に入るときには細心の注意を
払って入浴してるに違いありません。

滑らないように、転ばないように。ってね。

だ~か~ら~。

普通のお風呂に入るのは危険だからって、
安易にリフトや特浴を使ってほしくないんです!

だってぇ、施設のほうが安全じゃないですか(笑)

見守りや介助してくれる介護さんがいるんですから(爆)

そもそも僕たち介護の目的には、たとえ老いや障害を
抱えても、できるかぎり普通の生活をしていただくこと、
方法や手段は違うくなったとしても、普段どおりのことを
やっていただけるよう支援することに意味があるのです。

だから、生活から引き離さない為にも普通に
お風呂へ入っていただくことは大切なんです。

考えてみてください。

目の前には浴槽にたっぷりお湯が入ったお風呂が。
風呂好きの方なら興奮すること間違いなし!ですね。

もしかしたら

お風呂恐っ!
滑っちゃうYo!

て、思うかもしれません。

でも、その気持ちって大切だと思います。

てか、若い頃より足は悪くなっているんだもの。
そう思うほうが自然なことではないでしょうか。
だって、そこで本人に気合いが入るんだから。

転んじゃならねぇ!!

ってね(笑)

不思議なことに、お風呂の場面のほうが
むしろ上手に立ったり歩いたりしてくれる
お年寄りってたくさんいます。あれって
やはり気合い・やる気が違うんでしょうね。
気持ちがお風呂に向いてるのですから。

目の前にお風呂があることで
入りたい!入らなきゃ!って
思いつつ、転倒しないようにって
いつもより力を発揮してくれます。

そんな、自らが考え、自ら動かなきゃって思える
お風呂は、まさに主体性の宝庫といえます。

これは特浴のように寝て入る風呂にはできない
芸当です。あれは安定しないから怖い怖い…。

しかも『入る』っていうよりも『入れる』感覚に近い
もんだから、お年寄りは受け身になってしまいます。
当の本人は自分の体を守るのに精一杯になるでしょう。

自分最近うまく歩けないしぃ~。
てか上手に立てるわけでもないしぃ~。

て、思ってるかもしれませんが…。

そのための僕たちがいるんじゃないですか!
だからこそ【介護】ってのが存在するんです!
【介助】があるんだもの。在宅のお年寄りより
よっぽど安全が守られた状況にあるはずです。

立つ行為や歩く行為、そして考える行為が
普通に自然にできるお風呂ってホント大切。

というより、立つ・歩く・考える行為をなるべく
してもらいながら入浴していただくことが大事。

お風呂は『体を清潔に』だけが目的じゃないんです。
そうしちゃうと内容が【人体洗浄】になりかねません。

それは逆に、主体性を奪うことになります。

危険だからとか、無理させないようにとか、
安易な答えを出すより、もっと深い意味を感じ
普通のお風呂に入浴していただくためには
どうすればよいかを、考えていくべきなのです。

だって。お風呂に入る意味が
【人体洗浄】だけじゃなくて
【リハビリ】にもなるって思えば
やりがいあるじゃないですか!

どうですか?

頭をフル回転させて、いつもより力を
発揮するお年寄りを想像してください。

しかも。

これは生活リハにつながります。
お風呂に入っていただくことで
頭や体が鍛えられているのです。
そして元気になっていくのです!

ほら。

普通のお風呂っていいでしょ?
入ってもらいたくなりませんか?

介護短歌

特浴や
リフトのお風呂を
使うより
使用すべきは
介護さんかな

個浴に入れば、お年寄りは元気になってくYo!
介助があるんだから普通に入ってもらいたいよNe!

って、声を大にして訴えていきたいですね。

追記

中には普通のお風呂が無理な方も
もちろんいます。ご了承くださいませ。


About the author