前回は履歴書の選び方、企業の人事担当に重視される部分について書きました。
前回の記事はこちら
さて、その中で大切な物のひとつに
「志望の動機」と書いたのですが、今回は具体的にどんなことを書けばいいのかを
書いていきたいと思います。
新卒の就職活動とは違い、転職の理由は人によって様々だと思います。
「人間関係が悪い職場で我慢できなかった」
「儲け主義の会社で現場をぜんぜん考えてくれなくて!」
「上司が嫌な人で揉めて辞めました」
わかります。気持ちは痛いほどわかりますが、それは面接官に伝えても仕方ないですよね。
前回も書きましたが、企業は「(当社で)具体的に何がしたいのか?」「(当社で)何ができるのか?」「(当社に)入社したいと考える理由」などから、自社の採用ニーズにマッチした人材なのかを見極めたいと考えています。
ここでは、面接官がどんな所を考えているかを考えてみましょう。
・「就職して長く働いてくれるか。またすぐに転職してしまうのではないか」
・「他の職員や利用者とよい関係を築けそうか」
・「一緒に働きたいと思える人か」
・「トラブルを起こさないか」
・「施設のために一生懸命働いてくれるか」
など、面接官は様々なことを考えて書類を見ています。
もちろん就職・転職するにあたって希望の条件はあるかと思いますが、面接官だって人間です。
自分の希望ばかりを言ってくる人より、企業側の条件をのんでくれる人を採用したくなるのは仕方のないことなのかもしれません。
【タイプ別志望動機の記載例】
◆未経験の場合
私は以前から、介護の仕事に興味を持っていました。
介護士をしている友人から「利用者さんに喜んでもらえると自分もがんばれる」と聞いたことが、高齢社会の今、もっとも大切な職業の1つではないかと考えるようになりました。
介護の仕事については、資格取得に向け勉強中で、至らないことも多いと存じますが、介護の仕事に対する熱意では誰にも負けないつもりです。
今まで培ったコミュニケーション能力を活かし、一日も早く貴社、社会に貢献したいと感じています。
◆経験や資格を持っている場合
自分のステップアップのために、前職の経験を活かし新しい職場でチャレンジをしたいと思いました。
以前から興味のあった特養の中でも、ユニットケアに力を入れている貴施設で介護職として経験を積み、将来は施設の介護支援専門員を目指したいと考えております。
◆オープニングスタッフへの応募の場合
新設で将来性の高い貴社のオープニングスタッフとして働けることは、介護職として大きな飛躍になると思い、志望させていただきました。
現在まで5年間デイサービスで介護福祉士として現場のリーダーとして働いてまいりました。
以前の事業所では介護スタッフの育成に携わってきました。
そうした中で徐々にスタッフの育成に興味を持ち、ゆくゆくは施設長として管理や人材育成の仕事がしたいと考えています。
これまでの経験と介護技術を活かし、オープニングチームの一員として働きたいと思っています。
◆特養→グループホームなど業種が違う所への転職の場合
特別養護老人ホームで介護職員として5年間介護のスキルを磨きました。
利用者様の笑顔に接するたびに、もっと家庭的な雰囲気のなかで1対1でじっくりと向き合う介護がしたいと考えるようになったことが、グループホームへの転職を考えた理由です。
なかでも認知症ケアに定評のある貴施設で、より高いスキルを身につけていきたいと思っています。
ここに書いた物はほんの一例です。
その人それぞれ経験や想いは違いますので、丸々コピーして使うのではなく自分の言葉で想いを伝えていただきたいと思います。
また、志望の動機に限らず、履歴書が完成したらやっていただきたいことがあります。
それは
「第三者に見てもらう」
ことです。
自分ではできていると思っても誤字脱字は意外とあるものです。
志望の動機についても、自分の伝えたいことが文章として理解できる内容となっているかを見てもらうのは、就職・転職を成功させる上で大切です。