【問題 32】
高齢者の精神疾患について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 精神症状は定型的でなく、訴えが多彩かつ曖昧なのが特徴である。
2 老年期の抑うつの背景要因としては、社会的役割の喪失などがある。
3 老年期うつ病は、1年後に半数以上が認知症に移行する。
4 アルコール依存症の患者数に占める高齢者の割合は、近年急速に減少している。
5 老年期のアルコール依存症には、若年発症型と老年発症型がある。
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答え:1.2.5
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1正しい。
高齢者の精神疾患は、加齢に伴う変化が深く関与しています。
高齢者の特徴として、「非定型的」があります。
典型的な症状が出にくいという意味です。
精神疾患も、精神症状は非定型的であり、
訴えが多彩かつ曖昧が特徴といえます。
2正しい。
気分や感情の落ち込み、やる気が起きない
などの状態を「抑うつ」といいます。
高齢者では、
①身体的な衰えや機能障害
②慢性疾患への罹患
③家族との死別
④社会的な役割の喪失
身体的、社会心理的な要因のため
抑うつが高頻度に見られます。
3誤り。
老年期うつ病の原因はさまざまです。
①脳の器質性の変化
②老年期特有の心理・社会的背景
③身体的合併症
などです。
また老年期うつ病では、うつ症状の
改善とともに回復する一過性の
認知機能障害もしばしば見られます。
また、うつ病の発症から長期間たった
ものでもアルツハイマー病を発症する
リスクが高くなるといわれています。
うつ病から認知症への移行は、
1年で3%、2年で12%、3年で50%以上、
8年で89%という報告もあります。
4誤り。
アルコール依存症の患者に占める高齢者の
割合は、年々増加しています。
ここでは急速に減少とあるため誤りとなります。
5正しい。
老年期のアルコール依存症は、2つに分類されます。
①「若年発症型」若年期に発症し老年期まで持続
②「老年発症型」若年期には飲酒問題なし、老年期になって初めて発症
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