新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017
環境因子

本当は怖いICF


このブログをご覧の皆さまならば、ICFのことはご存知だと思います。今さら例の、身体機能構造/活動/参加が横に並んだICF概念図は載せませんよ。教科書的には厚生労働省のページで、


平成18年5月29日
独立行政法人国立特殊教育総合研究所

1 ICFとは何か
正式名称はInternational Classification of Functioning, disability and Health。日本語では「国際生活機能分類」と訳されている。人間の生活機能と障害に関する状況を記述することを目的とした分類であり、健康状態、心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子、個人因子から構成される。心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子には合計1,424の分類項目が示され(ている。)


 と、説明が始まっています。ICFについては、色んな語り口/切り口があります。アセスメントツールにもなり得ますし、異なる専門職間の共通言語になる、とも言われます。今回は中でも、

・ICFを理解することは、つまりは何を理解することなのか?

 という一点について、お話しします。そしてそれは、実はとっても怖いお話ですよ、ということです。同時にICFの本質的な理解に近い部分であり、「新しい介護予防では“身体機能/構造”よりも、“活動/参加”を重視しますよ。」なんていう表面的な話題ではないつもりです。(←そもそもこんなふうに、“身体機能/構造”と“活動/参加”を分けて考えること自体が、ICFとしてはおかしい!w)


 「人間の生活機能と障害に関する状況を記述することを目的とした分類」ということですが、私が強調したいのは『状況を記述している』という点です。1,424項目各項目の重要性ではなくて、総体としての「状況把握」ということですね。

 つまり、運動マヒがあるから「障害状態」だ、ということではないのです。ある程度の運動マヒ(あるいは高齢者の筋力低下)状態があって、それと他の色々なことが絡み合った一つの「状況」が作られて、生活に支障をきたす状態になっている、と。だから、同じ運動マヒや筋力低下があっても、時と場合によってそれが障害になったり障害にはならなかったりしますよ、ということです。
だからICFを理解するということは、障害とは何か?障害とはどういったことか?といった、「障害に対する根本的な見方の変容を迫られる」ということです。

 実はこれで結論に近い(はやっ!)のですが、これでは全然「怖くない」と思うので(^^; 、もう少し具体的なお話をします。


 状況が作られていく因子として、ICFでは「そもそもの健康状態」「環境因子」「個人因子」があげられています。その中の「環境因子」ですが、さらに細かく、五つの第1レベル分類、74の第2レベル分類、その他第3レベル分類を合わせて251項目で構成されています。以下の表は第1レベル分類と、第2レベル分類の一部分(74項目のうちの16項目)です。無味乾燥なものと感じられるかもしれませんが、このレベルでICFのことを見聞きすることも少ないと思うので、ぜひ、目を通してみてください。
環境因子

ICF「環境因子:第一分類と第二分類の一部」

 項目に「光」とかあるのを見るとナイチンゲールの『看護覚え書』を思い出しますし、「第1章:用具」に『福祉用具(のあり方、使われ方)』が入ることも、すぐに理解できると思います。


 さ、この辺から怖い話になりますよ。(^^; この表の中で私が注目したいのが、『第5章:サービス』です。一気に結論を申し上げます。心身に何らかの問題を抱えている方に対する支援サービスのあり方そのものが本人様にとっての環境の一部なんですね。そのサービスのあり方自体が障害状態の重症度状況を決めている一要因ですよ、ということです。本人様の障害状態を強めてしまうのも生活上の支障とならないようにするのも「我々の提供するサービス次第」ということです。寝たきり状態の方々の悲惨?な状況は、我々の提供しているサービスのあり方が大きく影響しているのではないでしょうか?ということです。私自身はこういうふうに理解できた時に、ICFがとっても怖くなりました。皆さんはどうですか?

 このような面は、重度な寝たきりさんだけではありません。特に強く感じるのは、認知症ケアの場面ですね。職業者のあり方自体が本人様の障害状態を決めていってしまっている、自分自身の存在自体が目の前の方の障害構造の一部分である、そういう面のあることに気づけば、専門職としてどうありたいと思うのか、おのずと態度は決まってくると思います。


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