AM5:00。
巡回に廻ったおばあさんの部屋から便臭が…。
便失禁してるな…。
安眠を妨げるのも悪いが、
(そもそも安眠してるのか?)
僕は彼女に声をかけた!
「○○さん、すいません…トイレに行きませんか?」
いつもなら夜明けのトイレ誘導に
行ってくれる彼女だか今日は違った。
「今は大丈夫…」
え?夜間トイレに一度も行ってないのに
今明らかに便失禁してるのに…何故?
答えは単純なこと。
彼女は遠慮しているのだ。
日々の生活からそうだった。
彼女は僕がトイレにお誘いするととても恥ずかしがる。
お風呂となれば、頬を赤らめ恥ずかしながらも、
衣服をひとつふたつと脱ぎ、肌をあらわにしてくれるのだ。
年を重ねてもやっぱり女性は女性。
異性の介護に抵抗があるときは同性が関わる。
当然のことであり、それができれば一番いい。
同性介護が主流になってる施設もたくさんある。
だが、うまくいかないもので。
今は現実に夜勤は僕ひとり。
そこで単純な僕は考えた!
僕はズボンを膝上までまくり、
エプロンを前後に二枚つけて
即席のスカートをつくる。
輪ゴムでちょんまげを作って。
同性介護ならぬ女装介護の完成!
何もそこまで…。
と思われるだろうが
僕はしたかったのだ!
女装をね♪
「おばあさん、起きてください。
一緒にトイレに行きましょ♪」
甲高い声で話しかける。
こんな姿、夜勤じゃなきゃできない。
が、ちょっとクセになりそうだ。
「そうだね」
僕をじ~っと眺めた後、起きてくれる。
そして。
トイレで用を足し終えた彼女は
改めて僕をまじまじ見つめた。
「ふふふっ(笑)」
…?バレてるのか!?
介護短歌
今や主流
同性介護
できぬとき
伝えるべきは
誠意と配慮
同性介護。それはホントいいことですし
相手への大切な配慮の手段ですが。
それができないときもあります…。
相手の羞恥心に対しての配慮のひとつの手段が「同性介護」であり
それをしておけば恥ずかしくないってものではないと思います。
大切なのは「同性介護」という答えではなく
相手が感じてしまう恥ずかしさに対して
どうしたら恥ずかしくないかと考える視点。
現実にそういった場面があったときに
皆さんはどういう対応をしていますか?
相手が感じてしまう恥ずかしさに
対してどんな配慮をしていますか?