新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

同性介護


AM5:00。
巡回に廻ったおばあさんの部屋から便臭が…。

 

便失禁してるな…。

 

安眠を妨げるのも悪いが、
(そもそも安眠してるのか?)
僕は彼女に声をかけた!

 

「○○さん、すいません…トイレに行きませんか?」

 

いつもなら夜明けのトイレ誘導に
行ってくれる彼女だか今日は違った。

 

「今は大丈夫…」

 

え?夜間トイレに一度も行ってないのに
今明らかに便失禁してるのに…何故?

 

答えは単純なこと。
彼女は遠慮しているのだ。
日々の生活からそうだった。

 

彼女は僕がトイレにお誘いするととても恥ずかしがる。
お風呂となれば、頬を赤らめ恥ずかしながらも、
衣服をひとつふたつと脱ぎ、肌をあらわにしてくれるのだ。

 

年を重ねてもやっぱり女性は女性。

 

異性の介護に抵抗があるときは同性が関わる。
当然のことであり、それができれば一番いい。
同性介護が主流になってる施設もたくさんある。

 

だが、うまくいかないもので。
今は現実に夜勤は僕ひとり。

 

そこで単純な僕は考えた!

 

僕はズボンを膝上までまくり、
エプロンを前後に二枚つけて
即席のスカートをつくる。
輪ゴムでちょんまげを作って。

 

同性介護ならぬ女装介護の完成!

 

何もそこまで…。
と思われるだろうが
僕はしたかったのだ!

 

女装をね♪

 

「おばあさん、起きてください。
一緒にトイレに行きましょ♪」

 

甲高い声で話しかける。
こんな姿、夜勤じゃなきゃできない。
が、ちょっとクセになりそうだ。

 

「そうだね」

 

僕をじ~っと眺めた後、起きてくれる。

 

そして。
トイレで用を足し終えた彼女は
改めて僕をまじまじ見つめた。

 

「ふふふっ(笑)」

 

…?バレてるのか!?

 

介護短歌

今や主流
同性介護
できぬとき
伝えるべきは
誠意と配慮

 

同性介護。それはホントいいことですし
相手への大切な配慮の手段ですが。

 

それができないときもあります…。

 

相手の羞恥心に対しての配慮のひとつの手段が「同性介護」であり
それをしておけば恥ずかしくないってものではないと思います。

 

大切なのは「同性介護」という答えではなく
相手が感じてしまう恥ずかしさに対して
どうしたら恥ずかしくないかと考える視点。

 

現実にそういった場面があったときに
皆さんはどういう対応をしていますか?

 

相手が感じてしまう恥ずかしさに
対してどんな配慮をしていますか?


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