新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

大切な力を引き出す!立位移乗の介助を考える(4):方向転換


こんにちは!

リハビリテーション✽介護Labo代表の山﨑隆博です(^^)

今回は、「立位移乗を分解して考える(4):方向転換」についてお話していきたいと思います(^^)

前回は『立ち上がり介助』についてお伝えしました。

http://www.kaigogoyoukiki.net/specialist/yamazaki/2018/04/30/%E5%A4%A7%E5%88%87%E3%81%AA%E5%8A%9B%E3%82%92%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%EF%BC%81%E7%AB%8B%E4%BD%8D%E7%A7%BB%E4%B9%97%E3%81%AE%E4%BB%8B%E5%8A%A9%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%EF%BC%93/

『立ち上がり介助』をした後に、どんな介助をする必要があるか?

よく見かけるのは、

「よいしょ!」

と対象者のお尻が浮いて立ったと思った途端に

介助者と対象者の身体どちらも

“ねじれている”

場面です。

つまり

「つま先とヘソや胸」が違う方を向いている状態です。

この状態では身体にどんなことが起きてるのでしょうか?

◆“ねじり移乗介助”で起きてしまうこと◆

~対象者~

脆弱な関節に“ねじりストレス”が加わる。

→本来発揮できる力を殺す/痛みを発生させる/関節を破壊する/下手すりゃ骨折

→起きる機会を損失させる

→寝たきり

→褥瘡・拘縮・誤嚥性肺炎などの2次的障害を起こす

→死亡

一番下に至る前に

この悪循環を断ち切らないといけません。

特に

「骨粗鬆症」

「変形性股関節症」

「変形性膝関節症」

「慢性関節リウマチ」

などの骨・関節の疾患を抱えている対象者は注意が必要です。

~介助者~

腰から背中に“ねじりストレス”が加わる。・・・中腰で負荷は2倍以上!!

→ギックリ腰/ヘルニア/慢性腰痛/腰椎滑り症

→働きづらくなる/私生活にも支障が出る

→笑顔が減る/何するにしても億劫になる/食事も美味しくなくなる/ショッピングもデートも楽しくない

→出勤・外出したくなくなる/抑うつ傾向になる

→心身共にズタボロになる

介助者である私たちにこのようなことがあってはいけません。

一番下に至る前にこの悪循環を断ち切りましょう。

どのようにしたら互いに生じうるこの悪循環を断ち切れるのか?

1つとっておきの方法をご紹介します!!

とっておきの方法。

それは・・・

「足踏み方向転換」を“一緒に”すること。

私たちが普段何気なくしている「方向転換」の動きを分解して考えてみると、

①方向転換する側に顔を向ける

②顔を向けた反対側の片脚に体重が移動する

③顔を向けた側の脚が浮く

④浮いた脚を引く/踏み出す

⑤④の脚に体重が移動する

⑥反対側の脚を引く/踏み出す

の順番になります。

こう書くとけっこう複雑な動きしてますよね(笑)

シンプルに「大切な3つのポイント」としてまとめてみました♪

~大切な3つのポイント~

①鏡のように体重移動をする

例えば、

「利用者様の右足を前に出す時」→「利用者様は左足=向かって右側へ体重移動する」→「それを手助けするために自分も右足側へ体重移動する」

「1.2.1.2.1.2…」とご利用者様と“足を踏み変えながら”を向きを変えていきます。

②小股でOK

そもそも移乗に介助を必要としている人は、両脚で立っていられるだけでも素晴らしいことです。

立った状態から体重移動をして、一時的でも片脚立ちになる方向転換は、怖い人が大半と考えて良いでしょう。

それを考慮し、初めは“引きずっていても”本人の動きが出てきたら素晴らしいです。

③喜びを分かち合うこと

「今!○○さん自分の力で脚が引けましたね!!」

「自分の力で向きが変えられましたね!!」

と一緒に1つ1つ喜びや感動を、繰り返し繰り返し分かち合いましょう。

繰り返し分かち合っていくことで、少しずつ力が引き出されていきます。

③は技術でも何でもありません。

介助者自身のマインドの問題です。

我々が本人の力を諦めないためにも

喜びを分かち合い続けられるためにも

自分自身の心身を大切にして

目の前の人を大切にできる技術

を磨いていきましょう~(^o^)

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