こんにちは!
福祉用具プランナー研究ネットワーク新潟(通称:プラネット新潟)の山﨑隆博です(^^)
こちらのブログでは、福祉用具のプロやリハビリテーションのプロ)が「福祉用具の特徴」「ひとり一人に合った福祉用具の選び方と調整の視点」「福祉用具を用いた目からウロコの介護技術」「リハビリテーション」などなどを発信してまいりたいと思います!!
前回は「移乗介助にまつわる怖いこと!?」についてお話しました。
今回は、「移乗介助で腰痛以上に怖いこと!?」についてお話していきたいと思います(^^)
『移乗』という言葉を聴くと、皆さんはどのような場面をイメージしますか?
①[ベッド~車椅子?]
②[車椅子~トイレ?]
③[車椅子~シャワーキャリー?]
④[ベッド~ストレッチャー?]
⑤[車椅子~自動車の座席?]
⑥[車椅子~ソファ?]
…
色んな場面がありますが、
介護現場では主に①~③が介助場面としては多いのではないでしょうか?
では、実際に介護現場で大まかにどのくらい移乗介助を行っているのか?
<1日>
①ベッド⇔車椅子 往復×朝・昼・夕=2×3=6回
②車椅子⇔トイレ 往復×1日5回=10回 (高齢者等頻尿の方はさらに頻度多い)
③車椅子⇔入浴用福祉用具(シャワーキャリー等) 往復×1回=2回
計18回/日/人
1日で1人のご利用者様あたり18回も移乗を行っています。
では、1週間・1ヶ月・1年と見ていくとどうでしょうか?
<1週間> ※入浴は3回/週として計算
①ベッド⇔車椅子 6回/日×7日=42回
②車椅子⇔トイレ 10回/日×7日=70回
③車椅子⇔入浴用福祉用具 2回/日×3日=6回
計:118回/週/人
<1ヶ月> ※1ヶ月=4週間として計算
118回/週×4週間
計:472回/月/人
<1年> ※1年=52週として計算。
118回/週×52週
計:6136回/年/人
これ…
全部を福祉用具を使わず人力の介助で「せ~の!よいしょ!」とかやったら…
「ゾッ」としますね…(汗)
でも、「ベッドから起きること」、「トイレに行く」のも「お風呂に入る」のも
生命維持活動としてとても大切なこと!!
減らしたくない…減らすわけにはいかない!
トイレに行けるのに必要以上にオムツ排泄にしたり、回数を減らす方法は余計に寝たきり支援になってしまいます。
じゃあどうするか?
回数ではなく方法と環境を変えるんです。
方法と環境って?
方法:『バイオメカニクス』を利用した介助方法
=『運動を生体力学的な視点から捉える考え方』
=『介助がする側もされる側もラクになる』
の最低限の知識と技術を身に付ける。
環境:福祉用具を導入する⇒使い方を徹底的に身に付ける⇒自立支援に活かす。
厚労省からも
「全介助の必要な対象者には、リフト等を積極的に使用することとし、原則と
して人力による人の抱上げは行わせないこと。」
(厚労省:職場における腰痛予防対策指針より一部抜粋)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034pjn_1.pdf
と10年以上前から言及しています。 (前回も出ましたが大切なので)
ましてや、身体の使い方や支え方も自己流でやってしまったり、
環境も福祉用具がなく整っていない状況で、
1年6136回も介助してればそりゃ腰痛にもなりますわ…(汗)
一方で介助される側も、
方法・環境が不十分な介助を受ける
=意思とは違う力で動かされる介助。。。
介助される側も「たまったもんじゃない!!」
◆トイレで立った(正確に言うと立たされた)瞬間に
怖くて余計に力んで頑張って我慢してたのに排泄物が出てしまう…◆
《介助する側》
腰痛を抱えながら介助をして辛い。。。
さらに上のようなことが起きると仕事が増える。。。
仕事が増えて手が回らないと上司に怒られる。。。
《介助される側》
移乗の度に怖い想いをする。。。
その度に目の前の人は曇った表情をする。。。
これが一生続くのか。。。
「もうこんな所いたくない!!」
お互いにそんな風に思ってしまう介護現場はどうなってしまうのか。
在宅介護では大切な家族を憎たらしく思ってしまったり。
本当に怖いですね。。。
適切な方法を身につけて
必要な環境を少しずつ整えて行きましょうね(^^)!!
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◇福祉用具の普及・研鑽・啓蒙活動
◇セミナー活動 「らくらく移乗介助技術」「誤嚥予防のための環境作り」「住宅改修のコツ」「福祉用具の選定方法」などなど
◇バリアフリーグルメマップの作成・普及(H29.4~)