燕弥彦西蒲食支援ネットワークの高井です。
今回はなぜ誤嚥性肺炎は再発しやすいのかをあらたな知見からテーマにします。
近年、サルコペニアの嚥下障害による誤嚥性肺炎が注目されております。
サルコペニアの嚥下障害とは、全身および嚥下関連筋の筋肉量の減少と筋力低下によって生じる嚥下障害です。これにより、飲み込むための力と誤嚥しそうになった時に吐き出す力が減弱した状態を言います。
誤嚥性肺炎に罹患すると、入院中の安静と禁飲食により、これらの筋肉が廃用し、サルコペニアの嚥下障害に陥りやすいと言われております。しかし近年では入院中も早期のリハビリや嚥下機能評価を行い、適切な食形態の食事を提供する等の病院も増えておりますので、入院による廃用だけが原因とは言えません。
そこで、注目すべき研究論文がこちらです。
Aspiration pneumonia induces muscle atrophy in the respiratory, skeletal, and swallowing systems
ざっくり書きますと、誤嚥性肺炎になった時点で、骨格筋・呼吸筋・嚥下筋の萎縮がはじまるというものです。肺炎の炎症性物質が筋肉を萎縮させてしまうことがわかりました。
これが誤嚥性肺炎が再発しやすい理由のあらたな知見です。
誤嚥性肺炎に罹患すると、より誤嚥性肺炎になりやすい状態に陥ってしまうということです。
そうなるとやはり予防が重要であり、仮に入院しても現在は早期のリハビリや経口摂取を行いますので、退院後も再び誤嚥性肺炎の悪循環に陥らないように多職種でサポートすることが必要です。