新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

リーダーの伸びしろ


※今回は、中原淳先生のブログにインスパイアを受けて書いております。
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/13269

ピーエムシーでは、「介護リーダー育成プログラム」をオンラインで実践しています。現在、私が担当している4施設は、毎月1回(3.5時間)、合計12回(42時間)の「往還型(研修と実践を繰り返す)のプログラムになっています。

基本的には「自己理解・他者理解」と「部署の課題解決」をテーマにしていて、「部署の課題解決」については、

①課題分析⇒②改善策の検討⇒③実行⇒④評価(レポート作成)

という、課題解決のPDCAサイクルを経験していくことが受講者(リーダー)のミッションになります。

講師(私)は、どちらかというとファシリテーター的役割を担っていて、
課題設定も、課題を解決する方法も、なるべく研修受講者(リーダー)に決めてもらっていました。

1年目~2年目はこのやり方で受講者の成長・変化も感じられてい ましたが、3年目以降になるとちょっと行き詰まり感があって、色々と試行錯誤しながらプログラムを展開していました。

ある日、プログラムに関わってもらっている医療職の方から、「みんな自分の持っている知識や経験だけで課題を解決しようとしている感じがする」という指摘を頂き、 本当にそうだな、だから行き詰まっちゃうんだ!と気づかされました。
何というか、文献や雑誌やインターネットや研究論文を見てみよう!というところに中々いけないし、何かを真似したり、参考にしたり、ということが、なかなか出来ないんですよね。

”問題分析によって「解決案」が、「ひとつ」だけしか見つからなければ、その解決案は、あなたの「先入観」に「理屈」をとってつけたものにすぎない(ピーター・ドラッカー)”

いくら適切な課題を設定できたとしても、自分の知識や経験に基づいた解決方法ばかり実践していては、リーダーは成長できません。ひとつの課題に対して、「こんな方法もある」「こんな方法だってある」「これもいいんじゃない?」と、いくつも改善方法をあげてみて、より効果の高そうな実践を検討する、というのが3年目以降のリーダー研修として改善すべき点かな…と思いました。

いくつも解決方法をあげなければならない、とすると、分からないことを調べたり、他施設の実践を調べたり、そもそもこの課題設定で本当に良かったのか…?等、色々やるべきことや考える事が見えてきます。

そうすると、今度は「ひとつのテーマについて、自分で調べ、深める」という取り組みが出来るし、これを通してリーダーが成長できるのだと思います。
そのためには講師も、もう少し「メンバーを引っ張る」「具体的提案をする」「知識を説明する時間を取る」というあたりに力を入れなければいけないと思いました。

2021年度も半分が終わりましたが、後半のリーダー研修では、意識してメンバーへの投げかけを行うなど、関わり方を変えてみようと思います。


About the author

斎藤 洋

新潟県在住|介護現場の人材育成支援|介護福祉士・社会福祉士・学士(心理学)・修士(社会福祉学)・日本社会事業大学大学院博士課程在学中| https://twitter.com/hiroshithenet

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