ピーエムシーで介護人材育成に関わって、はや3年目に入りました。
介護福祉士養成校の教員をしていた頃は、「学生から聞く介護現場」だったのが、
今は「本物の介護職員」の方々と関わる事が仕事になり、
予想してはいましたが、改めて「養成校」と「現場」のギャップの大きさに驚いています。
とにかく、現場にあるのは「圧倒的な現実」です。
「認知症」という病気ではなく、「家に帰りたい!」「あんた誰?」
「お風呂はいりたくない!」という現実。
「夜間巡視」という業務ではなく「コールが同時に3つ鳴ったけどどうしよう!」
という現象。
「自立支援」という理想と対立する
「おうちにかえるとトイレ介助できないからトイレ誘導はしないでください」
というご家族の希望。
一人ひとりの介護職員が、実に様々な現実に日々直面しています。
学校の教科書とは対極の世界だな、と思いました。
介護職はある意味、
専門職のなかでも理念・理論と実践(現実)のギャップが最も大きい職業かもしれません。
特にこれは問題だな、と思うことは、
介護職員が集まって情報共有を行う機会がなかなかつくれないことです。
特にユニットケアです。
情報共有が出来ないと、個々の介護職員の考え方が、どんどんバラバラになってしまいます。
そうすると、みんなが「じぶん基準」で介護を行うようになってしまい、
不適切なケアが生まれやすくなると感じています。
これを防ぐには、介護職員が集まって「仕事を語りあう」機会をつくることが必要です。
昨年から行っている「高齢者虐待防止研修」において、
実践を繰り返し行っていく中で、「仕事を語り合う」機会の大切さを実感しました。
「圧倒的な現実」を共有し、語り、聴くことで、
研修の場の雰囲気が明らかに変わっていくのを毎回感じていました。
一回だけ、「手ごたえがなかった」回がありましたが、
これは全員が参加している研修ではなかった
(自己研さんに熱心な一部の職員さんが集まっていた)
ことが原因かな、と考えています。
専門性を高めるというよりも、組織性を高める研修だと思いますが、
やっているこちらもとても手ごたえを感じており、
今年度も力を入れて取り組んでいきたいと考えています。