最近、グループホームや小規模施設の方から
「認知症だけでなく、精神疾患について研修で学びたい」
という問い合わせを多くいただいております。
具体的にどんなことで困っているのか聞いてみると、
「ご利用者の訴えがエスカレートして対応しきれない」
「ご利用者が特定の職員にだけひどく冷たい、振り回される」
「機嫌が良かったと思ったら豹変する」
などの理由で職員が疲労困憊してしまうとのこと。
ご利用者の様子を見ていると
どうも単なる認知症ではないのではないか?
何か他の精神疾患が原因でこうなってしまっているのではないか?
ということで、
「精神疾患を学ぶ必要があるのでは?」
という流れで研修申し込みに至るようです。
こんな時、もしかしたら
「パーソナリティ障害(人格障害)」の可能性があるかもしれません。
相模原の事件でも注目されているパーソナリティ障害ですが、
認知症と違って「冷静に」「毅然とした対応で」「統一した対応」
を心掛ける必要があります。
以下の本、とてもわかりやすくて参考になりました。
他に、「パーソナリティ障害(人格障害)」に関しては、
押川剛さんの本を読むと色々勉強になります。
「『子供を殺してください』という親たち」を読みました。
押川さんは、「トキワ精神保健事務所」を
立ち上げ、
ひきこもりなど
精神疾患が関係していると思われる様々な
問題の解決を支援する活動を行っている方です。
http://www.oshikawatakeshi.com/?page_id=155
家庭内の問題として「家族がどう向き合うか」というミクロな視点と
「精神保健福祉のありかたに関する課題」、というマクロな視点、
両方の視点から深刻な家庭の状況が描かれています。
押川さんがおっしゃるように、
我が国の精神保健福祉は、多くの課題を抱えており、
精神疾患を抱えた方が、
じゅうぶんな治療をうけられないまま歳をとってしまうケースが
増加しています。
高齢者介護分野で働く我々も、
このあたりをきちんと学んでいく必要がありそうです。