私と「まちづくり」と「2015年の高齢者介護」【その1】


※今回のアイキャッチ写真は、娘が夏休み工作で作った、「くまちゃんの家」。本文とは、「ほぼ」関係ありません。
『新潟の介護がよくわかる 介護施設・サービス・高齢者向け住宅総合ガイド 2015年版』

「まちづくり」(P62)のコラムを載せていただいて以来、職場の内外で声を掛けてくださり、
改めて反響の大きさに驚いております。
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「まちづくり」について対した実績もなく、「これから」(?)というところで、
このような機会を頂き、本当に感謝しています。

なにから書き始めようかなぁ・・といろいろ考えたのですが、
私が「まちづくり」を意識し始めたきっかけから、お話ししたいと思います。

私は、2002年に施設介護職から在宅の介護支援専門員として、
転職して居宅介護支援に関わらせていただきました。

 

最初は、施設介護から希望を持って『居宅介護支援』の世界に入りましたが、

すぐに現実は厳しさを痛感・・・

一か月もたたないうちに、介護保険制度の「理想」と
リアルな在宅介護の「現実」の壁にぶつかりました。

特に痛感したことは、

「住み慣れた地域で住み残るためには、いまの現状では介護保険制度『だけ』では達成できないこと」

そして

「離れてみて初めて分かった『施設』の強みや凄さ」

このように「理想」と「現実」の間で悶々としている中、

私が「まちづくり」を意識するようになった一つの転機がありました。

 

それは、同僚の勧めで、特に何か求めることもなく何となく参加した

『全国宅老所・グループホーム研究交流フォーラム2003』(2003年2月栃木県)です。

2003

このフォーラムでは、当時の浅野宮城県知事や、朝日新聞の論説委員をされていた
大熊由紀子さんがファシリテーションを務める中、惣万佳代子さん下村恵美子さんなどの
代表的な実践者の皆さんが、『どんな状態になっても地域で住み残りたい!!』
という地域の高齢者の願いを実現するために生まれた
「宅老所」「小規模デイサービス」等について熱く語ってくださいました。

 

 「だれもが地域で普通に」暮らし続けることのできる地域社会の実現を目指して、
実際にアクションをしている皆さんの姿は、アクションをする勇気が持てていなかった
私にとっては大変眩しく映り、「いつか自分もこんな実践をしてみたい」と強く思うようになりました。

このフォーラムがきっかけで、制度の枠を超えた 「ソーシャルアクションという名のまちづくり」
が私の中で大きなテーマになりました。

さらに、その4か月後、フォーラムの興奮が冷めやらない2003年6月
厚生労働省の高齢者介護研究会から「2015年の高齢者介護」という報告書が発表されました。
この報告書も私にとって大きな転機になりました。

2015高齢者介護1

【その2】へ続く

参考:『全国宅老所・グループホーム研究交流フォーラム2003』(2003年2月栃木県)プログラム内容(抜粋)

「在宅介護・地域生活を支援する宅老所・グループホームヘの誘い」

平木千紗子/下村恵美子/石井信芳/藤井博志
ディスカッション

「栃木で生まれた小規模ケアー高齢者介護のあり方に問うてきたもの一」

高木敏江/武田和典/岡地和男/貝谷伸/泉田照雄
特別セッション

「自治体が変われば、福祉は変わる一誰もが地域でその人らしく一」

惣万佳代子/北岡賢剛/森貞述/浅野史郎/福田昭夫/和田敏明/大熊由紀子


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