もし役職が人を育てるならば、今の組織の主任やリーダーや管理者はもっと立派に仕事できてるはずですよね。
人が成長する動機は、スキルマトリクス理論でいうと、『必要性を感じている』か『興味があるか』です。
要するに、主任かリーダーをちゃんとやらないとヤバいと思っているか(責任感ともいいます)
やりたい!と思って、取り組んでいるか、です。(やりたいと思っているだけでは難しいこともありますが)
私のところにメールや電話相談が来るケースのほとんどが、『ちゃんとやらないとやばいから教えて欲しい』という、必要性を感じているケースです。
成長できる人は、きっと、こういう人たちです。
言い訳しかできない人や、上司の機嫌取りが上手な人を役職につけても、組織にとっては何の役にも立ちません。
役員や理事長をうまくごまかしてやり過ごすだけで、問題が先送りになるだけです。
だから役職は人を育てません。
成長のチャンスとしてはかなり大きいきっかけになります。
いちばんマズイのは、意地悪な人事です。
『あいつをリーダーにすればちゃんとやるだろう』みたいな。
マネージメントの神様といわれるドラッガーも『誰にでもリーダーになる素質がある』と言ってます。
しかし、誰がどのタイミング、どの役割で力を発揮するか、ということについては、本当にわからないものです。
だから『役職が人を育てる』というのは結果論でしかなく、全ての人にはあてはまらないのです。
本当の意味でマネージメントができる人たちが管理監督の役職に就けばもっといい職場が増えるのになー。
介護業界の問題は、リーダーシップ、マネージメントの問題であり、介護に対する熱意の問題ではないのです。
知野吉和