新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

介護の専門性とは


  介護の専門性について、何年か前に考えたことを紹介します。今のところ、この考え方に変わりはないです。
専門性とは、『介護職員が何を目指して知識と技術を磨いていくべきか』という方向性のことです。
要するに、なんのプロになればいいのか、ということです。
僕の考えは『声掛けで相手をやる気にさせるプロ』を目指すことだと考えています。声掛けとはコミュニケーションのことです。
高い精度で相手の気持ちを理解して、相手の行動を変化させる、という意味があります。

介護現場の愚痴みたいな記事ばかりだと、ただのクレーマーと思われそうなので、実はまじめなことも考えている、というアピールです(笑)

まず、『自立支援』という言葉について。
自立とは何か?ADLの向上(体が動くようになる)という意味だと、寝たきりで拘縮が強く、動作の獲得の可能性がない人に対しては、じゃー仕事しなくていいじゃん、ということになります。
ということは、『自立』には介護的な解釈が必要になります。いろいろ考えた結果、『自立=選択』であると僕は定義しています。
選択することを支援する、と定義すると、かなりの範囲が介護の対象になります。まーでもこれも、まだ寝たきりの人の介護ということになると、選択することができなければ、ダメじゃんってことになります。

じゃーめんどくさいから、介護=お世話でいいじゃん、という考え方もありますが、そうなると、残存機能の活用なんかしなくてよくなるので、これもまた向上心のない職業になってしまいます。

要するに、相手がどんな状態であれ、介護をする者としてのプライドになる言葉って何かな、と考えたわけです。

どのような状態でも声掛けは絶対必要なものでしょう、そして、残存機能を活用させるためにも、本人のやる気は必要だし、最終的には、介護の手がいらない状態になることが大事、と考えたとき、見つけたのが『声掛けで相手をやる気にさせる』ということです。

相手をやる気にさせるには、いろいろなアプローチが必要です。環境面、精神面、身体面、総合的に見る必要があります。
基本は心理学ですが、多くの学びが必要になります。

結局これって自立支援じゃん、と言う人もいるかもしれませんが、自立支援を唱えた人たちから『声掛けのプロ』などと聞いたことはありません。どちらかというと、相手に触れてケアするイメージの意味が強いですよね。

介護職員が目指すべきところは、『私が声掛けをすると、寝たきりの人でも歩いてしまう』ということを目指すために日々勉強することなのだと思っています。可能性がなくとも、声掛けだけはちゃんとして、相手の気持ちを探ってますよ、というプライドを持っていることが大事なのです。

現実は業務が忙しくてそんなことは理想でしかないですけどね。うっしっし。

知野吉和


About the author

知野吉和

シェア大歓迎(^O^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

こまち介護転職 無料申込みフォーム