新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

記録の書き方


  たまに記録の書き方について、勉強会を依頼されますが、本来『書き方』は職場でしか教えられないのです。書き方ルールを作らず、基準がないまま、空気を読みがながら記録を書いているのが現場職員の現状でしょう。
実は介護施設の方がリクエストする『書き方講座』というのは、本当は、書くことに対するストレスへの対処を知りたいのです。
記録を書く、に至る『心理的な壁』を取り除くことが、重要なのです。

例えば、ひやりはっとが出た時に『書いておいてね』と言われて、『えーーー!?』というやつです。

実は記録というのは、書く技術よりも、心理的な『えーーー!?』を克服した方が解決が早いのです。
記録を邪魔する心理的な『えーー!?』の壁

どういう内容を入れたらいいかわからない

自分の書き方が正しいかわからない

文字を見られるのがいや、恥ずかしい

書くことがめんどくさい

書く意味がわからない、自分がやらなくてもいいじゃん?

書く時間がない、書く場所がない

だいたいこんなところです。

4のめんどくさい以外はなんとかアプローチができそうですよ。解説しますね。
①いちばん重要なのは、書き方のひな形を用意するなど、ルールを作ることが重要です。見ればわかるでしょ?的な感覚なら、書き方にいちいち指摘をしないこと。これは後出しじゃんけんといって、卑怯な先輩がやる技です。言われた職員は成長しませんね。
②日本語は多様な表現を持っているので、正しさというのは難しいのです。そういう意味でもルール作りは大切です。
③恥ずかしい心理は、見せ慣れることが大事です。先輩職員は後輩の記録を読んだら、『この書き方わかりやすくていいよ』とか『ちゃんと書けているから大丈夫だよ』と自信を持たせてください。これが実はいちばん重要です。特にルール作りがめんどうならこれです。
④めんどくさい、というのは、たぶん、小学校時代の国語に対する劣等感の可能性があります。ほとんどの『めんどくさい』『キライ』という発言は、『できない自分がバレるのが怖い』という心理です。ここの心理的なケアはいろいろ時間がかかるので、これはそのうち。
⑤書く意味がわからない、に関しては、記録は科学的に、法令的に、必要だということを内部研修、新人育成の段階で教育すればいいと思います。

自分がやらなくていいじゃん、というのは、たまたま見つけてしまった事故やひやりに関して、当事者が気づかず、それを見つけた自分が書かざるをえないケースです。これってけっこうめんどくさいし、気づいた自分がバカだった、みたいになるので、指示を出すリーダーさんが聞き取りでやるのもいいし、書いてもらったら激しく感謝を示すくらいのことをしたらいいと思います。

介護施設は、『気づく人ほど仕事が増える』というジレンマがありますから。鈍感であった方が仕事が増えないから、見て見ぬふりを決めるのです。

※この見て見ぬふりの実態についてもそのうち。
⑥書く時間がない、場所がない。これは作ればいいけど、できないからこの現状なんですよね。もしかしたら別の業務スキルが低いとしたら、そっちを鍛える必要があります。場所がないのは、上司の問題かもね。ちゃんと提案しましょう。

最大の問題はこれ!!

記録を書くための、能力の問題もあります。そもそも文章を書くスキルがあるか?ということです。ちなみに、介護記録を書くために必要な国語能力は小学校3年生です。なので、小学校3年生のドリルをやって、できなかったら、問題ありです。

介護記録は小学校3年生の国語能力プラス専門用語です。

僕のこのブログの書き方は、基本的に小学校3年生の文章能力を意識しています。
『ちのさんのブログ、わかりやすいっすね!!』と言われるのは、そのように作っているからです。えっへん。
記録に関してあなたの施設で問題があるなら、上記のことを確認してみてください。
あなたが記録を書くとき。『えーーー!?』と心がつぶやいたら、何か劣等感があるんじゃないの〜??ウッシッシ
もし、記録の書き方勉強会を希望される方は、ぜひ!!

この心の壁を壊すトレーニングをします。


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知野吉和

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