新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

プロとしての条件


  たまにはスキルマトリクス的なお話です。

介護職員のスキルの見分け方で、僕が最初に見ているのは、仕事に対して根拠を持ってやっているか、手順的な作業レベルか、です。慣れると面談して1分で見立てができます。
根拠を持って仕事をしている人の特徴は、必ず前向きです。
あきらめ、ふてくされ、がまん、イライラ、くよくよ、八つ当たり、開き直りの心理状態の人は必ず、手順の世界にいます。知識がどんなにあろうと、前向きでない人は、その優れた知識を使えずにいるか、人を責めるために使っているものです。
僕の見極めが厳しいのではなく、実際にそうなのです。
手順の世界にいる職員は、必ず不機嫌です。イライラ、くよくよ、我慢、の世界にいます。
そのような職員に根拠の知識を学んでもらってもあまり意味がありません。なぜならその知識を活かす場がないからです。
正しい根拠の知識や、理想を語っても、組織がでしゃばることを許さなかったり、理不尽な上司がいれば、組織の顔色伺いとなります。
教科書や理想よりも、組織が求めるつまらない動きが正しい対応になるのです。
不機嫌なスタッフは、『どうせ何を言っても、何をしても評価してくれないし、結局は上の決まったことに従うしかないんだったら、やることだけやって、さっさと帰ろ!』と思っているのです。
これって誰のせいですかね??組織です。
本人の自己努力は認められず、正しい根拠や理論が通じないなら、残るのは、決められたことを手順としてやることです。
プロなら組織に関係なく、根拠を持って、利用者のためにやるべきだ!と現場にいない先生方は言います。
じゃーおめーがやれや!と言いたいです。現場に降りてこいや!!8時間×一ヶ月通してやってみれや!
組織に関係なく根拠あるケアを実践できる人は、もともと組織が根拠を大切にしているプロ集団であるか、本人が介護に興味があって自己学習して、組織の空気を読まずにハイテンションを演じてるか、どちらかです。
要するに、プロとしてのスキルが上がる条件で大事なのは、知識を得る必要性がその組織に雰囲気的にあるかどうか?実際に根拠の知識を持たないと置いていかれる状況であるか?または本人自身に専門的な学びについて興味があるかどうか。2つの条件のどちらかをクリアすることが大事なのです。
根拠の知識がしっかりあるのに、前向きでない人は、『言い訳スタッフ』『八方美人』『できない理由を言いたがる相談員、ケアマネ』『上から目線の他職種』です。現場の足をひっぱってるのに気づいていない職員です。これもまたそのうち対応方法を伝授します。
介護職員が根拠を学ぼうとしない理由は、興味を持たせない環境であるか、根拠を持っても誰も理解しようとしない、学習することに意味を持たせない職場に問題があるのです。
組織としてどうしたらいいか。
①カンファレンスをまじめに、根拠を持って、専門的にやる(知識を使える場を作る)
②資格を取るための勉強会を会社で応援する。手当も!!(承認する機会を作る)
③根拠ある意見をしっかりと評価できる人をリーダーにする(学んでいる人を認める風土ですね)
年功序列とか、長く勤めたら勝ち、とか、そういう人事はもうやめましょう!!
ただし、想いだけの評価でリーダーに上げるのはまずいですよ。
知識がなく、思いやりがある、利用者に好かれているだけの人は、現場向きです。
はっきり言って組織をまとめるという意味で言ったら、役に立ちません。
組織で働くプロに必要なのは、まず正しい知識というエンジンです。その次に思いというターボが効いてくるのです。
ターボだけでは走れませんよってことですわ。
僕はやる気のない介護職員の味方です。やる気のない介護職員とは、組織の理不尽さに打ちのめされた、被害者の皆さんです。やる気がないのではなく、やる気をなくされた人たちなのです。
でもね、やる気がないのは組織のせいだ!というのも大事ですが、じゃあ組織の空気が良くなれば、ちゃんと勉強して、根拠あるケアができるのか?ということも考えてくださいね。
自分が組織をまとめるなら、どうするか?リーダーだったらどうするか?チャンスを与えられたらやるのか?不満を解消したらしっかり仕事をするのか?ということを考えた時、『いやー私には無理ですわー』というなら、今の環境でおとなしく仕事してたほうがいいんじゃないの~~??ウッシッシ
では、プロ意識につながる知識と技術とは何か、ということについては、またそのうち。

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知野吉和

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