新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

量のあとに質が来る


質の高いケア、という言葉が出始めてもう何年経つでしょうか。
介護施設のパンフレットや、セミナーなどでも、『質の高いケア』という言葉であふれてます。
何をもって、質の高いケアと言うのか、聞きたいところですが、今、介護業界は、人員が不足しております。
このブログの中でいつも言っていることですが、質の向上と言うのは、量が充足されてこそ、質の高さが目指せるのです。

携帯電話を例え話にすると、最初の携帯電話は、どのメーカーも黒い、大きめのサイズでした。
それが、メール機能を持ち、カメラ、GPS、お財布機能など、どんどん質が上がってきました。

今メール機能のない携帯電話が出たとしても売れないでしょう。しかし、ドコモがアイモードメールを
採用したときは、携帯を持っている人たち同士で『あんなのいらないよね』というくらい、まず、電話と
ショートメールで十分と思われていました。
数が充足してくると、だんだん質を上げないといけない状況になるんでしょうね。市場は。

介護の話に戻りますが、人員が不足している施設が『質の高いケア』を提供できるのでしょうか?
介護度が高くなるほど、マンツーマンの時間が多くなります。一度に何人も相手にはできません。
以前、『ウチは少数精鋭なんです』と言う施設にお邪魔して、二日間かけて、リーダークラス全員にヒアリングしたことが
ありますが、『辞めようと思ってます』という声がたくさん聴かれました。

要介護者の介護度が高いほど、人員不足は深刻です。
質の高いケアを目指すなら、まずは人員不足の解消です。でもなかなか求人しても集まらないのも事実ですよね。

だからこそ、分業、業務内容の整理、模様替え(リフォームなどによる動線の改善)、書式の簡素化(事務作業の負担軽減)なのです。
管理者の皆さん!現場の職員の前で安易に『質の高いケアを!!』という言葉はかなりプレッシャーですよ。

知野吉和


About the author

知野吉和

シェア大歓迎(^O^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

こまち介護転職 無料申込みフォーム