新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

新人の不安を展開します


なんでもそうですが、ノウハウというのは、手順を理解することが基本ですが、その根底に流れる理念とか、意味を理解しておかないと、使えないものなのです。
私が支援している施設では、新人教育の最初の段階は、とにかく準備と後片付けを中心に指導してもらっています。
いきなりコミュニケーションから入るケースはかえって成長を遅らせることになります。

今回はその意味を展開します。新人育成で大事なのは、不安を解消することです。

新人さんの不安は時間とともに以下のように変化します。

1 私はここにいてもいいのかこれは、新人さんや実習生がよく「皆さんの迷惑ならないように頑張ります」とか、清拭をたたむとか、何か単純作業をさせると以上に早くやろうとする、あの時です。要するに、みなさんの役に立つことで自分が存在できる、という思いの表れです。まずは人はここの状態から始まります。

2 職員とうまくやれるかどうか不安
職場の環境に慣れると、自分の居場所を見つけます。新人さんがよくいる定位置が決まった頃の不安は、職員とのコミュニケーションの不安です。
コールが鳴ったら出てもいいのか、利用者に声をかけられたけど、普通に対応してもいいのか、その時、新人さんは職員の顔色を伺ったり、ヘルプを求めます。職場の雰囲気に合わないことをして嫌われては大変なので、まずは職員と仲良くならないと新人の体は動けないのです。

3 利用者とうまくやれるかどうか不安
職員とうまくやれて、やっと利用者との関係性が必要になってくるのです。
職員とうまくやらずに利用者とうまくやっても続かないものです。
逆に利用者に嫌われても、職員とうまくやれていれば守ってもらえるものです。
これが現実です。それでも続けられる職員はハイテンションか空気を読まない強い信念を持っている人でしょうね。

4 私と職場の未来の不安
業務に鳴れ、職場にも慣れ、利用者の状態もわかってくると、やっと組織に対するいろいろな不満や不安が出てきます。最初は自分のことでいっぱいいっぱいなので不安よりも、やるべきことがあるので、それほど問題は出ませんが、慣れてくるといろんな不満が出るものです。
ある意味、一人前になってきている証拠ですので、ひとつの登竜門として歓迎するべき現象でしょう。

新人育成は特に、1のここにいてもいいのか不安の解消を支援することで、成長は早まりますし、2の職員とうまくやれるかどうか不安に関しては飲み会などを早めにやること、たくさん友好的に話しかけて仲間になることで解消されます。だから、1の不安解消のために、単純な作業をたくさんお願いすることが重要なのです。だから準備と後片付けなのです。1,2の、この二つのアプローチで新人さんは早く育ちますよ。

だから利用者とのコミュニケーションから入る新人育成は失敗するし、不安をただあおるだけなのです。だって誰でも初対面のコミュニケーションは難しいですよね。


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知野吉和

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