新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

口のまずさを治す薬?


おばあさん(女性・82歳)が夕食後の薬を飲まないそうだ。
彼女は部屋にこもって、その扉は固く閉ざされている。

「ちょっと促してみて!」

そう頼まれて、僕はその薬を手に
彼女の部屋をノックし、扉を開けた!

「入ってくるなぁ!」

彼女は怒ったように
僕の侵入を拒否して
扉を閉めるではないか。
 

僕はまた開けてみた!
だがまた閉められる。

懲りずに開けてみる。
やっぱり閉められる。

その繰り返し。
 

これは拒否というより拒絶ではないのか。
 

だが、ここで諦めたら男がすたる。
頼まれた以上はこの薬は飲ませねば。
(その人にとっては大切な薬だし…)
 

僕は意を決し、再び扉を開けた!
案の定、彼女は扉をしめようとする!
そこに僕は、すかさず首をつっこむ!

「うげ!」

顔が挟まれた!(計画どおり)
僕は、彼女の目線に合わせ
苦痛な表情を浮かべ、彼女に訴えかける。

「顔が挟まれちゃいました。どうか助けてください…」

拒絶している彼女は、容赦なく閉めてくる。

「うぎゃあああああ」

僕はその度に色々な苦痛表情を
浮かべ、彼女に訴えかける。

「痛い痛い!助けてくだしゃい…」

さすがの彼女も、その顔が笑えたのか
可哀想になったのか、扉を開けてくれた!
 

そりゃそうだ。
彼女だって相手に苦痛を与えたくて
そんな態度を取ってるわけじゃないんだから。

 

彼女の話を聞くと、こう言った。

「口がまずいから薬なんて飲めない」

そこで僕は切り返す。

「この薬は口のまずさを治す薬ですよ」

介護短歌

当人の
拒否か拒絶か
見極めて
ときには必要?
嘘も方便

嘘をつくのはいけないことですが…
時にはこういう方法も必要かと思います。

結果的に

「ほんとだ!良くなった!!」

って言って下さったわけですしw


About the author