新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

合コンから学んだこと。


テーブル席でポツンとたたずむお年寄り。

いますよね。

てか、テーブル席を囲んだはいいけど
皆して黙ったまま、まるでお通夜状態。

あると思います。
 

それは何故なのか?

その人はもともと聞き手なタイプだから。

そんなに話すこともないから。

人見知りだから。

口下手だから。

受け身な人だから。

などなど。色々と理由があると思います。
 

しかし。

そんな理由じゃ解決の糸口なんてつかめません。
『だいたい皆無口だし仕方ないよねー』で済まされちゃいます。

そんなんじゃテーブルはいつまでたってもお通夜状態です。
『職員が盛り上げなきゃ!レク何する?』って思ってしまいます。

そんなんだから職員が終始テーブルの盛り上げ役に徹してしまい
結局は相槌を打ってくれるお年寄りとの会話が楽しくなっちゃって
ぼーっとするお年寄り、眠気の強いお年寄りがほっとかれるのです。
 

なので、会話が弾まないテーブル席に対して
こういった仮説を立てたいと思います。

目の前にいる人たちの名前が分からないから
話しかけようにも、そのきっかけがつかめない。

(↑このへんが合コンから学んだこと)
 

これっておおありだと思いますよ。
 

よほど社交的な人じゃなきゃ、名前も知らない人に対して
『よお!お前さん元気だったかい?』なんて言えませんし。

ちょっと見覚えがある人であればなおさら
その方の名前が思い出せないなんて失礼な話。

ましてや多くは、認知症や年相応の物忘れのあるお年寄り。
前に伝えた名前をちゃんと覚えてる人はどのくらいいるのか?

僕たちにとっては、知ってる利用者同士の集まりだろうけど、
お年寄りにとっちゃ毎日が初対面の方々との相席かもしれない。

ね。そんな状況の中で
会話を弾ませろってほうが
無茶な気がしてきませんか?

 

なので、テーブルを盛り上げるためにすべきことは…

しつこいほどに名前を呼びながら話しかけること。

周囲に対してその方の名前を印象付けること。

です。
 

○○さん、おはようございます』

『隣の△△さんが気にしてくれてましたよ』

『向かいにいる××さんが誉めていましたよ!』

□□さんがその話を詳しく聞きたいそうです』

☆☆さんはこう言ってますけど、▼▼さんどう思います?』
 

ポイントは名前のとこは特に強調すること。

不自然にならないように
それでいてしつこいほどに
名前を言っていくことが大切。

 

周囲の人たちに印象づけるために。
皆から覚えてもらう・皆を覚えるために。
少しでも話しかけやすくなるように。

これだけで場の空気変わりますから。

職員が盛り上げ役に徹しなくとも、
自然とお年寄り同士の会話が増えますから。

介護は仲介役のほうがよいわけで。

職員が奮起してテーブル席を中心となって盛り上げていくよりも
お年寄り同士が話しやすい環境作りのほうが大切だったりします。

自分の名前すら忘れていそうな人もいますし。

名前を呼んで刺激しましょう。そして職員からだけじゃなく
周囲のお年寄りからも呼びかけてもらって刺激を加えましょう。

そもそも名前を呼ばれるって悪い気がしないもの。

もしも誰も話しかけてくれなかったら…考えただけでも恐ろしい。
名前を呼ぶことはその人を尊重すること・無視しないことに繋がります。

職員が中心となって盛り上がれば良いってもんじゃない!
 

職員が離れても会話が途絶えないほうが良いに決まってますやん。
『じゃあ僕はこのへんで…』くらい言ってみたいなー(笑)

介護短歌

話しやすい
環境作りの
第一歩
名前の尊重は
その方の尊重

単発的な盛り上がりよりも
継続的となる関係作りが大切。

たくさん名前を呼ぶのにはもうひとつ理由があります。

その方に対して『気にかけていますよ』
といったメッセージを伝えること。
決して無視していないことを示すこと。

 

名前はその方が歩んできた軌跡そのもの。

名前を強調することで、その方の軌跡を尊重していきましょう。
 

注意:ここで伝えている【名前】とは【苗字】のこと。
基本は【苗字】で呼ぶべきだと思います。


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