新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

コール鳴ってます!!


「あの人のコールは何の用もないから行かなくていいよ」

その昔、こんな言葉をよく耳にしたもんだ。
ベテランスタッフの口からねwww

 

コールを頻繁に押す人ってよくいますよね。
訴えが止まらない人も結構いますよね。

それで行って用があればいいんだけど
そういう人に限ってたいした用事ではない。

 

用事がないんだったらコールを押すなよ!
こっちは忙しいんだから!!

 

そう言いたくなる気持ちは分かる。

が、本当に用はないのだろうか?

 

もしも僕が利用者だったら。

 

コールを押す。

求めてはいない人が来る。

見た目イライラしてるの分かるから、思わず「別に」と言ってしまう。

怒られる。

あぁ呼ばなきゃよかったな…。

冷たくあしらわれてかえって寂しい思いになる。

次に呼んだら、いい人が来てくれるだろうか?

コールを押す。
(そしてそれが繰り返される)

 

なんという無限ループ現象www

 

こういった場面に出くわしたとき
ベテラン職員は必殺技を使うのだ!

 

そんなコールには出ない!
そんな訴えなんか聞かない!

 

「周りの利用者の対応に忙しいから」という
もっともらしい言い訳を使って、訴えてくる
入居者に「お前が悪い」って言ってくるのだ。

 

認知症だからだの、不定愁訴だの、もっともらしい用語を使い
「その人ばっかりに対応していては公平にケアができない」
などと、さも正論のごとく言い放ち、訴えに耳を傾けないのだ。

 

僕はこう考える。

 

利用者一人ばかりにかまっていたら
他の人が見られないというが、

一人の人をちゃんと見られなくて
他の全員の細かいところを見られているのだろうか。

他の人にも同じことを言い、おろそかにするに違いないっ!

 

一人の人すら見られないくせに
何が全員をちゃんと見ています!だよ?

何が公平なケアだ!!何が不定愁訴だ!!

 

訴えが頻回なわけじゃないんだよぉー
ちゃんと聞いてくれる人がいないから
結果的に訴え頻回みたいになってるんだよぉー

 

用事のないコールは、見捨てられてないことの確認。
それは僕たちの介護技術以外のものを求めているのでは?

 

いざというとき来てくれるだろうか?
忘れられてはいないだろうか?

 

うまく伝えられない利用者にとって、呼べば来てくれるコールは
自分が世界とつながっていることを確認する唯一の手段。

 

あなたはその世界とのつながりを断絶してないだろうか。

 

用のないコールにも足を運ぶことにより、
その利用者はしだいに安心していく。

 

それを繰り返すことで訴えは減っていく。

 

僕はそう確信している。

 

それでもコールが減らないのなら、僕がとっておきのマジックを。

その人の隣にいて手を握っててあげましょう。

 

そうすればコールは鳴りませんよ(笑)

 

 

 

コールに限らず…

訴えが出てくる前に行ければ最高ですけどねw

介護短歌

用のない
コールにこそ
訴えが
それを汲み取り
つなぐのが介護

訴えを見極めて、必要な訴えには足を運び、
行く必要のない訴えはスルーする。

それをさも正論のごとく新人に伝える。

僕はそんなベテランになんかなりたくもない。

 

そもそも、訴えを見極めるにも
「足を運び、まずは相手と向き合う」
ってのが大前提になきゃいけないのだから。


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