新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

ステージアップの3ヶ条(3)


ある人が言ってました。

「利他を欲することこそ、ステージアップの道」

僕です(笑)

 

幸せとは

1.人に愛されること

2.人にほめられること

3.人の役に立つこと

4.人に必要とされること

なんだそうです。

2~4は、まさに利他の思想ですね。

この方が言ってます。

てなわけで最後の要素です。

第3条 「ありがとう」をしっかり伝えよ。

「ありがとう」って素敵な言葉ですね。

あなたがいてよかった。

あなたといると幸せ。

あなたが必要です。

あなたと一緒だと嬉しい。

色々なメッセージを含んでいますから。

ただしこの場合の「ありがとう」は

「お世話をさせていただいてありがとう」
「トイレ誘導させていただいてありがとう」

などといった気休め程度の「ありがとう」ではありません。

(もちろんこれも大切なことですが)

お年寄りに気休め程度の「ありがとう」を
伝えたところであまり響かないのが現実です。

なぜなら「人様に迷惑かけている」って思ってますから。

「今までできていたことがうまくできなくなった」

「誰にも必要とされていない」

「自分は何の役にも立たない」

「価値のない人間になってしまった」

などといったマイナスの思考が
痛いほど心に植えつけられています。

年をとりできないことが増えてきたことで
家族や周囲から必要とされなくなったことで
家から追い出され介護サービス使ってることで
人様に世話にならなきゃ生きていけないことで

自分が今まで築いてきた信用や
価値というものが否定されてるのです。

その否定がことごとく自分を襲ってきます。

「価値のない人間」というのが刷り込まれているのです。

その結果。

気休め的な「ありがとう」とか誉め言葉を告げられても、
素直には受け容れられなくなってしまってるのが現実です。

ではどのような「ありがとう」が必要か?
どのように「ありがとう」を伝えるべきか?

そこで重要になってくるのが【役割】を持つことです。
相手に何らかの【役割】を持っていただくことが大切です。

「今までできていたことが今もなおできる」

「必要とされている」

「役に立っている」

「価値のある人間である」

といった、その人が達成感を感じることのできる
【役割】を持っていただくということです。

そこに「ありがとう」という、本人にとって
プラスの気持ちになるメッセージを盛り込むのです。

「助けてくれてありがとう」

「快く手伝ってくれてありがとう」

「○○のために頑張ってくれてありがとう」

ということ。

マイナスの気持ちが刷り込まれたお年寄り。

その凍った心を溶かしていくためにも
やはり「感謝の気持ち」を伝えることが大切。

気休め程度や一度や二度じゃ受け容れてもらえないので
何度も何度も繰り返し伝えていくことが大切です。

とにかく根気よく。

響かないなら響くまで伝えていきましょう。

マイナスの気持ちが刷り込まれているんだったら
それ以上にプラスの気持ちを刷り込みやがれ!ってこと。

僕たち介護がその人を必要として

相手の可能性を信じて

その人をちゃんと評価して

必要な存在として認め

そして役に立っていただく。

とにかく繰り返し感謝の気持ちを伝えていきましょう。

自信を取り戻してもらえるように
価値を思い出してもらえるように
ステージアップにつながるように

意識して「ありがとう」を伝えていくことが大切です。

介護短歌

鳴かぬなら
鳴くまで言おう
ありがとう
感謝の気持ちを
伝え続けよ

【役割】を持っていただくことで、その人は
自己や利己から、利他を欲することになります。

ただし、利他というのはときに自己犠牲になってしまいます。
それでは【役割】というのが【やらされてる感】になりかねない。

だからこそ【役割】を持っていただきながら
「ありがとう」を何度も伝えていってください。

やらされてる感にならないように。
凍った心を溶かしていくように。
利他の思いを実感できるように。
プラスを刷り込んでいくように。
自信を取り戻してもらえるように。

それを繰り返し伝えることで、相手は
「そこまで言うのならホントなのかな」
って受け容れてくれることでしょう。

そしてステージアップしていくことでしょう。

目には目を
歯には歯を
刷り込みには刷り込みを(笑)

あ、もちろん「ありがとう」のあとには
ちゃんと「ございます」をつけてですよ。

だって。

『言葉遣いは丁寧に』ですから。

じゃあ、まったく動けない人とか【役割】を持てない
お年寄りはどうすんの!?って話になりかねないですが。

そのときこそ。

『整容で見た目の改善を』って話です。

価値のない人間なんていない。

少なくとも介護士は、そういった思想で
一人一人の価値を見出だせる存在でいてほしい。

だって僕たちは最終ステージの演出家なのだから。

以上、ステージアップの3ヶ条でした!

最後まで読んでいただき…
ありがとうございました!!

わざとらしいですかね(笑)

『「ありがとう」をしっかり伝えよ』うとしたまでです(笑)


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