こんにちは!
リハビリテーション✽介護Labo代表の山﨑隆博です(^^)
前回の記事はこちら「立位移乗を分解して考える(1):動作を分解」
今回は、「立位移乗を分解して考える(2):端座位」についてお話していきたいと思います(^^)
まずは、移乗の工程を復習。
◆ベッドに座っているところから立って移乗する人の場合◆
①座位:ベッドに座っている状態
②立ち上がる
③立位:立っている状態
④方向転換
⑤立位:立っている状態(車椅子におしりを向けて)
⑥着座動作
⑦車椅子座位:車椅子に座っている状態
大まかにこのように分解できます。
前回は
『①~⑦のどれに介助が必要になるかを考えることが大切ですよ~』
とお伝えしました。
では、今回の本題「①座位:座っている状態」を分解して考えてみたいと思います。
画像にあるように、まず
・本人
・ベッド環境
に分解できます。
さらに
【①足・履物】
足裏はしっかり着いているか?
→全体が着いていないと足で踏ん張れません。
靴は柔らかくないか?
→靴が柔らか過ぎると、足~膝~股関節~上半身へと揺れを伝えてしまいます。
足の形も扁平足など異常をきたしていきます。
足はなるべく引いているか?
→足が遠いと体重が後ろに残り、立てません。
【②膝の位置】
膝が腰と水平の高さにあるか?
→膝が腰より高いと体重が後ろに残りやすく、膝や腰に負担をかけます。
【③おしり・骨盤】
おしりはなるべく前に出ているか?
→おしりが奥にあるままだと、
足を後ろに引けなかったり体重を余計に前に移動させる負担が増えます。
なるべく腰を起こしているか?(骨盤が後ろに倒れて、背中が丸くなってないか)
→背中が丸まっていると、体重が後ろに残りやすく、膝や腰に負担をかけます。
【④ベッドの高さ】
足裏が床に着く・膝が腰と水平になるベッドの高さになっているか?
→低すぎると後ろに体重が残りやすく、
高すぎると足裏全体が着かなかったりズリ落ちるリスクが上がります。
【⑤柵】
前に体重移動が苦手な人にL字の柵を設置しているか?
→L字柵を設置し、前に手を着くことで前方への体重移動を誘導できます。
【⑥マットレス】
必要以上に柔らか過ぎないか?
→柔らか過ぎると背中が丸まりやすかったり、ズリ落ちるリスクが上がります。
このように人・環境を分解して考えられます。
これら①~⑥の要素の中で
『何番が影響して端座位が不安定になっているのか?』
『何番が影響して次の[②立ち上がり]が不安定になっているか?』
を考えてみると、修正が必要なところが見えてくるかと思います^^
例えばこんな人…
【Aさん 82歳男性 「怖くて立てない。」】
①ベッド座位:柵に掴まれば自立。掴まないと後ろに倒れる。
・・・ベッドの高さがシーツ交換時のままで、高くなったまま。
・・・カカトが浮いていて、つま先しか着いてない。
②立ち上がり:要介助
③立位:手すり使用して自立
④方向転換:手すり使用して自立
⑤立位:手すり使用して自立
⑥着座動作:手すり使用して自立
⑦車椅子座位:自立
こうやって分解して見てみると、②:立ち上がりに介助を要していますが、
①ベッド座位:ベッドの高さにそもそも修正の余地がありそうですね!!
逆に、①ベッド座位:ベッドの高さの問題に気付かず介助してしまうと、、、
✖私たちが作った環境で自立を妨げます
✖本人の力を生かす場面を奪い取ります
✖自分1人でもできるんだ!という自信を失わせます
「環境支援による自立支援」
→「本人の力を引き出す環境を提供する」
介助はこうでなくっちゃ!! ですね^^
それではまた♪
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