新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

大切な力を引き出す!立位移乗の介助を考える(1):動作を分解


こんにちは!

 

リハビリテーション✽介護Labo代表の山﨑隆博です(^^)

※今回から、『リハビリテーション従事者と介護従事者の定期交流勉強会』として立ち上げた

「リハビリテーション✽介護Labo」として色々書いていきます!

 

前回は「移乗介助で腰痛以上に怖いこと!?」についてお話しました。

http://www.kaigogoyoukiki.net/specialist/yamazaki/2017/07/30/%e3%80%8c%e7%a7%bb%e4%b9%97%e3%81%ae%e8%80%83%e3%81%88%e6%96%b9%ef%bc%9a%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%92%e3%80%8d%e8%85%b0%e7%97%9b%e4%bb%a5%e4%b8%8a%e3%81%ab%e6%80%96%e3%81%84%e3%81%93%e3%81%a8%ef%bc%81/

 

今回は、「大切な力を引き出す!立位移乗の介助を考える(1):動作を分解」についてお話していきたいと思います(^^)

 

介護現場において『移乗』は、

【お部屋】 ベッド―車椅子

【トイレ】 車椅子―便座

【お風呂】 車椅子―シャワーチェア(キャリー)

シャワーチェア―浴槽

【外出】  車椅子―車座席

など色んな生活場面で頻回に行われている介助支援になります。

 

介護現場でよく見かける介助方法としては、

 

【一発屋】・・・「せーのっ!よいっしょ!!」と一発で移乗させる

【ジャイアントスウィング】・・・勢いよく回転させて移乗させる

【抱え上げ】・・・衣類や脇を持ち上げて移乗させる

【落下】「(ドスン!)」と勢い良く座らせる

 

まさにパワフル介助!

 

介護者はまるでプロレスラーのようです(笑)

 

中には本当に腰の骨が「グシャ!」っと潰されてしまうご利用者様もいます。。。

 

なぜプロレス技のような介助になってしまうのか?

 

 

 

それは介助者が本人の力をスルーして手伝い過ぎているからです。

 

え? 介助してるんだから当然? 全部私たちがやらなきゃ危険?

 

頑張り過ぎです。 全部やっちゃう方が危険です。

 

ご本人さまの力を引き出すコツはたくさんあります。

ご本人さまの素晴らしい力を信じて支援しましょ。

 

まずは、移乗の工程を改めて見てみましょう。


◆ベッドに座っているところから立って移乗する人の場合◆

①座位:ベッドに座っている状態

②立ち上がる

③立位:立っている状態

④方向転換

⑤立位:立っている状態(車椅子におしりを向けて)

⑥着座動作

⑦車椅子座位:車椅子に座っている状態


 

大まかにこのように分解できます。

 

奇数の①③⑤⑦は「姿勢」

偶数の②④⑥は「動作」

になりますね。

 

つまり、移乗は「姿勢を保つこと」「動き」を交互に繰り返しています。

 

この7つの工程の中で

『何番に介助が必要なのか?』

『何番は本人ができるのか?』

を分けて考えてみると、介助が必要なところが見えてくるかと思います^^

 

例えばこんな人…

【Aさん 88歳女性 「膝が痛い。」】

①ベッド座位:自立

②立ち上がり:膝に力が入らず要介助 

③立位:手すり使用して自立

④方向転換:手すり使用して自立

⑤立位:手すり使用して自立

⑥着座動作:手すり使用して自立

⑦車椅子座位:自立

 

こうやって分解して見てみると、介助が必要な場面は②:立ち上がりのみになりますね

 

逆に、②以外の自立していることまで介助してしまうと。。。

『自立支援』→→『自立し得ん』ですね(笑)

 

介助者が自立を奪います。

力尽くで。

 

✖本人の残された力を生かす場面を無くすこと

✖できることまでこちらが何でもやってしまう

 

これらは本人の「身体の力」「自分を信じる力」「頑張る力」「生きる力」を

どんどん殺いでいくことになります。

 

「本人の素敵な力を生かせるところはないか?」

「どこに介助を必要としているのか?」

 

◆本人ができることは任せる!待つ!

◆できないところ・支援が必要なところのみ介助をする!

 

移乗に限らずどんな介助においてもこれが鉄則です^^

 

「本人の力を信じ抜くこと」

「本人の力を引き出すこと」

 

介助はこうでなくっちゃ!! ですね^^

 

それではまた♪


【近日開催予定】

2017/2/4 介護職員のつどいin小須戸『寝たきり者ポジショニングセミナー』

講師:プラネット新潟 (※詳細は近日公開)

 

2017/5or6 第二回リハビリテーション✽介護Labo

『(仮)腰痛予防関連の介助技術とセルフケア~未来を見据えて 今、再考する~』

講師:リハビリテーション✽介護Labo代表 山﨑隆博 他

 

【リハビリテーション✽介護Labo

~リハビリテーション従事者と介護従事者の定期交流勉強会~】

2025年には約38万人介護人材が不足すると言われ介護負担は一層増していく傾向にあります。その中で、定期的に交流を図ることで介護現場の生の声を吸い上げ、互いの問題を解決していくキッカケとなる。さらに、このような場が各地域で主体的に創造できることを目指しています。

 

『“はじめての〇〇介護”シリーズ』

『“介助技術のプロへの道”シリーズ』(「誤嚥を予防する食事介助」「ポジショニング」「移乗介助」「転倒予防」etc)などセミナー等のご依頼、お問い合わせは下記まで◎

reha.kaigo.labo@gmail.com

 

【プラネット新潟の活動内容】

◇福祉用具の普及・研鑽・啓蒙活動

◇セミナー活動 「らくらく移乗介助技術」「誤嚥予防のための環境作り」「住宅改修のコツ」「福祉用具の選定方法」などなど

◇バリアフリーグルメマップの作成・普及(H29.4~)

 


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