《第24回 本試験 解説》
【問題 3】
社会保険方式の特徴として正しいものはどれか。3 つ選べ。
1 国⺠の参加意識や権利意識を確保し、加入者に受給権を保障する仕組みである。
2 リスク分散の考え方に立つことで、社会保障の対象を一定の困窮者から国⺠全体に拡大した普遍的な制度となっている。
3 社会保険制度の財源は、原則として公費である。
4 保険料を納付しない者や制度への加入手続をとらない者は、給付を受けられないことがある。
5 給付は、受給者があらゆる資産を活用することを要件として行われる。
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答え:1.2.4
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1○
日本の社会保障は、“自助”を基本とし、“共助”で
補完し、それでも対応できない部分を“公助”で
支えるという形になっています。
この“共助”に当たるのが、社会保険です。
社会保険は5つです。
①医療 ②年金 ③雇用 ④労災 ⑤介護
これらは、強制適用・強制加入です。
皆で負担し、皆で支え合う、
皆で受ける権利を持っている。
社会保険方式はそのような仕組みになっています。
2○
社会保険5つを見ると、
どれもいつか起こり得るリスクを
持っていると言えます。
病気になるかもしれないし、
そのせいでお仕事が
できなくなるかもしれない。
年を取ったら年金が必要になる。
介護保険法は必要になる。
お仕事中に怪我をするかもしれない…
これは「自助」でリスク管理をしていくのは
限界があります。
なので、最低限のセイフティーネットとして、
社会保険があり、「国民皆年金」「国民皆保険」
の仕組みを取っています。
国民全体を対象として、偏りのない
普遍的な制度となっています。
3×
社会保険制度の財源は、保険料と公費です。
4○
どの保険も、保険料の納付が保険給付の
前提としています。
介護保険を考えても、加入していなければ
保険給付は発生しませんし、
保険料を支払わなければ、保険給付の差し止めや減額にもなりました。
5×
受給者があらゆる資産を活用することを要件として行われていません。
介護保険の保険給付も、
「資産をまず使ってから、保険給付を受けてください」とは言われていませんよね。
保険事故に該当すれば、保険給付を受けられます。
受給者があらゆる資産を活用することを要件として
行われる代表的なもののは、生活保護の扶助です。
生活扶助には、「補足性の原理」がありました。
まず、自分の持っているものを最低限度の生活を送るために使い、それでもなお足りないものを扶助で補う原理です。
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