皆さんこんにちは(*^^)vコミュニケーション技術では、対利用者だけでなく、チームでの連携、会議など様々な場面での「コミュニケーション」の知識が必要になります。記録についても問われてきます!
「人間関係とコミュニケーション」に比べると、より実践的な場面であったり、認知症の方や様々な障害を抱えた方との具体的なコミュニケーションが必要になります!そのため短文事例での出題が近年増えているように感じます!
【問題33】傾聴の技法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 最初に客観的事実を確認してから聴く。
2 相手の言葉を妨げないで、じっくり聴く。
3 相手の目をじっと見つめながら聴く。
4 早い動きでうなずきながら聴く。
5 解決策を提案しながら聴く。
では「がき解説」スタートします!
傾聴とは「相手の話を聞くのではなく、その話に伴う相手の感情をも理解しようとする聴き方」のことです。相手の話に熱心に耳を傾けるとともに、うなずきや視線などの非言語的コミュニケーションも活用していく必要があります!
1:×
客観的事実とは「他の人から見たらこうみえる」事実のことです。ここでのキーワードは「最初に」です。相手の話を最初に聞くのであれば、まず自己紹介や雑談などで緊張を和らげて話しやすい雰囲気を作ることが大切です!
2:〇
相手の話を妨げないことにより、「ちゃんと話を聴いてもらえた」という安心感や満足感につながります!まずは聴くことに集中することが傾聴の技法になります。
3:×
じっと見つめられると相手はどう感じるでしょうか?照れたり、威圧感や緊張感を与えてしまいますよね!時々視線を外すなどするとよいと思います。また座り方も正面に座る対面法より、直角に座る直角法の方が話しやすくなるので覚えておきましょう!
4:×
うなずきなどの適度な相槌は、傾聴することを効果的に伝えるサインになるので必要です!ただし、ここでは「早い動き」でうなずいています!想像するとわかりますが、嘘くささや慌ただしい印象を与えやすいので×になります。ゆっくり丁寧にうなずくことが〇です!
5:×
「~しながら」聴くのは傾聴とは言い難いですね!傾聴はまず「聴くことに集中」します!また相手は解決策の提案を望んでいるのではなく、話を聴いてほしい場合もあります!その意味でもここでの対応は×になります。
【問題35】
Jさん(82歳、女性)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で暮らしている。Jさんは朝食を済ませていたが、また朝食の準備を始めた。他の利用者が「さっき食べたでしょう」と言うと、Jさんは「まだです。今起きたばかりです。」と答えた。
このときのJさんに対する介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「おなかがすきましたか」
2 「さっき、食べたばかりですよ」
3 「後片付けまで終わりましたよ」
4 「もう1回食べるのですか」
5 「食事より掃除をしませんか」
では、「がき解説」いきます!「介護福祉職の言葉かけ」という問題に対する正解は「受容・共感・傾聴」(私は3本柱と言っています)ができているかどうかがポイントになります!この3本柱ができていればだいたい〇です!
また、Jさんは認知症による記憶障害があると予想できます。
1:〇
Jさんの気持ちを受け入れている(受容)ので〇になります!
2:×
認知症の方の記憶障害の特徴は「出来事自体を忘れる」です(普通のの物忘れは出来事の一部を忘れます)。具体的には、夕食を食べたこと自体を忘れるのが、「認知症の物忘れ」、夕食のメニューを忘れるのが「普通の物忘れ」になります!
「さっき食べた」と言われても、Jさんは食べたこと自体を忘れているので、Jさんの事実は「朝食を食べていない」です。それを否定されると余計に不安になるので×になります。
3:×
2と同様にJさんの事実と反している言葉かけになるので×になります。また認知症による記憶障害の特徴には忘れたことの自覚がないこともポイントであるためこの声かけでは効果は期待できません。
4:×
Jさんの事実は「まだ食べていない」です。「もう1回」ということは「すでに食べているけどまた食べますか?」と聞かれている意味で捉えられます!自分の事実とのずれにより、不安感が募っているのが認知症の方です!だからこそ、受容、共感、傾聴の3本の柱が必要になるわけです!