皆さん、こんにちは!
いよいよ、本格的にがき通信をスタートさせていきたいと思います。このがき通信では、介護福祉士国家試験の過去問や問題集から抜粋したものを板垣オリジナルの切り口から解説していきたいと考えています!
今回は「人間の尊厳と自立」からスタートしていきます!
この科目は、利用者の尊厳の保持と自立支援の理解ができているか、人としての権利の尊重などが基本となります。他には、憲法、歴史的背景が出題傾向としてはあります。現時点では、介護保険法の第1条にもあり、「尊厳の保持」と「自立支援」をきちんと理解しておくことがこの科目の攻略のポイントとなります!
【第28回】人間の尊厳と自立
問題1 糸賀一雄の「この子らを世の光に」という思想に該当するものとして最も適切なものを1つ選びなさい。
1 経済的に生活できる社会的自立を保障する。
2 人間の発達を保障する。
3 困窮状態に応じて最低限度の生活を保障する。
4 障害者の職業の安定を図ることを保障する。
5 自由を制限する身体拘束の禁止を保障する。
どうですか?すぐに解くことはできましたか?
まず、注目してほしいのは選択肢の「語尾」です。糸賀一雄さんの思想について問われている問題であり、すべての語尾が「保障する」になっています!ということは、何かを保障するのが思想になるというイメージができてくるのかなと思います!
では、その何を保障するのかを考えていきましょう!
糸賀一雄さんの思想は「この子らを世の光に」です!ここでいうこの子らの何かを保障するのが答えになりそうですね!糸賀一雄さんは「近江学園」(糸賀一雄さんのキーワードですね)で知的障害者の人権を保障していく過程において大きな足跡を残した人物です!そこでは、障害児、障害者の発達を権利として保障するという発達保障論を提起し、今日の障害児、障害者の発達保障に貢献したといわれています。ということは「発達を保障する。」という言葉のある選択肢を選べば正解になります!
1=×
「自立」というのは介護福祉士の国家試験でよく出てきますが、身体的、経済的、職業的、社会的のすべての分野で自立を目指すことです!キーワードは「全人間的復権」(リハビリの重要ワード)です!
例えば、「自立とは、身体的自立を目指す」という選択肢は×になります!どれか1つの自立を目指すのが介護福祉士の自立ではないことに注意していきましょう!
ということで「社会的自立」以外の自立も目指すため介護福祉士の自立の考え方から×となります。(さらに糸賀一雄さんの思想とは関係ない)
2=〇
「発達を保障する」という言葉があるので正解になります。
3=×
この保障は「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という日本国憲法第25条の生存権での保障になります。なので糸賀一雄さんの思想とは関係ないので×になります。
4=×
この保障は障害者の職業の安定であるため、障害者雇用促進法です。ちなみに、この法律では、公的機関や一般民間企業に身体障害者、知的障害者の雇用が義務づけられています(精神障害者は対象ではないため、問題作成の観点からは出しやすいので注意)。なので糸賀一雄さんの思想とは関係ないので×になります。
5=×
身体拘束の禁止は介護保険法に明記されています。なので糸賀一雄さんの思想とは関係ないので×になります。介護福祉士の国家試験までは11か月程度あります!この時期は知識をインプットしていく時期です!まずは自分なりの勉強方法の確立をすることが合格への第1歩になるはずです。その勉強方法についても学生に実践して成果があったものを今後はご紹介していきたいと思います!