こんにちは。
新潟市西区の成年後見専門行政書士播磨史雄です。
いつもブログを見て頂きありがとうございます。
前回の記事では、成年後見制度の基本知識③にて
「任意後見制度とは」を書かせていただきました。
その時の記事は→成年後見の基礎知識③任意後見制度とは
本日は、任意後見制度に関して更に詳しく書いていきたいと思います。
任意後見制度は、
任意後見契約を締結したからといって直ぐに『任意後見受任者』が後見人として活動できるわけではありません。
この点は、任意後見制度を説明した場合に良く勘違いされる部分です。
任意後見契約単体の契約ですと、契約した本人が認知症等の判断能力が低下した場合に、
任意後見人受任者(サポートする方)が家庭裁判所へ任意後見監督人を選任する申立を行ってから
正式に任意後見人として、本人をサポートすることができるのです。
なので、任意後見契約だけで全て高齢者の方をサポートするとなると、困難な場合があります。
その際に、任意後見契約と共に契約して頂く必要があるのが、
『生前の事務委任契約』
と
『死後の事務委任契約』
と
『遺言』
の3つです。
①『生前の事務委任契約』は、高齢者の方が認知症等により判断能力が低下するまでの、
財産を管理したり、難しい契約を代わって契約するといった事を任せることができる契約です。
この契約により、任意後見契約の効力が発生するまでに、高齢者の方のことをサポートすることが可能となります。
②『死後の事務委任契約』は、任意後見契約の効力が発生し、サポートしていた高齢者の方が亡くなった時に効果のある契約です。
任意後見契約のみでは、サポートしている本人が亡くなったときに契約が終了してしまいます。
本人の生前利用していた施設利用料の支払い、役所への死亡届や年金の年金受給者死亡届などを提出したり、葬儀の手続きなどを行う場合には、こちらの契約も締結する必要が生じます。
サポートする本人が亡くなった後にスムーズに引き渡したり、手続きをすることができるご家族やご親族がいる方であれば、死亡後のことをお任せすることができるので良いかと思いますが、後見を利用する方は、独居だったりご家族やご親族の間に何かしらのご事情がある方がほとんどです。
『死後の事務委任契約』も任意後見契約と共に公正証書で契約しておくことも必要になる場合がありますので、この契約も同時に行っておくことが必要となることも考慮して後見事務に当たる必要があるかと思います。
③最後に『遺言』ですが、先の死後の事務委任契約では、本人の死後の葬儀等の事務手続きを行うことはできますが、死亡後に本人の財産(遺産)をどうするのかまではサポートできません。
まだ本人が判断能力のあるうちに、亡くなった場合にどうしてほしいのか希望を聞いて『遺言』に自分の意志を遺しておくことを本人に勧めるのも大事なことです。
任意後見契約では、サポートできない部分を以上の3つで補完することにより、
本人の今後の老後を安心して暮らしていただくことが可能になります。
本人の状況次第で使い分けていくこともできますので、今後の本人には何が必要になるのか
本人の状況を見極めていける知識と経験が必要となります。
【Q&A】
ここでは、よくあるご質問にお答えさせて頂きたいと思います。
Q.『生前の事務委任契約』、『死後の事務委任契約』は公正証書で契約を結ばなければならないのでしょうか?
A.生前の事務委任契約』、『死後の事務委任契約』は必ず公正証書で契約しなければならないものではありません。
あくまで当人同士での、契約で構いませんが、
経験上金融機関等の取引を行う際に、公正証書での契約の方が手続きがスムーズにいく様に思われます。その後のトラブル防止の意味を込めて公正証書にて契約した方が良いかと思います。
本日は以上です。
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