前回までで、「不良姿勢のままで放置されると抑制されていく呼吸運動と、それに伴って起きてくる頭頚部の姿勢の崩れ」について4回お話ししました。これは、変な姿勢のままで放置すると起きてくる健康被害7項目、
a:呼吸への悪影響、安楽な呼吸運動の抑制
b:全身的な筋緊張の亢進
c:拘縮の発生(a,b,による)
d:褥瘡の発生(a,b,とg,末梢循環の減少による)
e:咀嚼嚥下機能の低下(a,b,c,による)
f:連続的な不快感からの精神的緊張~不穏状態
g:その他、便秘/残尿、唾液の粘調化による口腔内の不潔などから、さらに尿路感染症や誤嚥性肺炎の発生。交感神経の過緊張状態。
のうちの、a:の部分を4回でお話しした、ということです。続いて「b:全身的な筋緊張の亢進」について、まとめていきます。やはり、4回くらいかかりそうな気がします(^^;
変な姿勢で放置されている方は、良い姿勢で過ごしている方に比べて全身の筋肉が硬くこわばっていることが多いです。体のこわばりは、疾患としての症状としても現れますし、イラストのように精神的な緊張に伴っても起こります。ところが寝たきり老人さんの場合、変な姿勢のままでいることでこわばっているのです。それがそのまま「c:身体変形・関節拘縮」の原因となっていきます。ではなぜ、変な姿勢のままでは筋肉を柔らかく過ごすことができないのでしょうか?(これも変な表現ですが)寝たきり老人さんの身体に起きていること①総論、でも述べましたが、不良姿勢~筋緊張亢進~関節拘縮は、それぞれが原因であり結果である、という面があります。その辺を分かりやすくまとめていってみますね。
身体はいろいろな原因でこわばります