新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017
横隔膜

寝たきり老人さんの身体に起きていること ② 呼吸運動の抑制1


 ではでは、「不良姿勢で放置されると起きてくる健康被害」のお話を始めます。最初は「呼吸」です。


 生きている人はみな「呼吸」しています。呼吸するために身体がどう動いているか?呼吸の仕方は2通りあります。私たちが静かに穏やかに呼吸している時は「横隔膜による腹式呼吸」、激しい運動後などにハァハァいってる時は「胸式呼吸」をしています。

横隔膜呼吸時の横隔膜と胸郭の動き

 まず、腹式呼吸のときに身体の動きは、イラストのようになります。「胸」と「お腹」の間を仕切るようにはっているのが、「横隔膜」という名前の「膜状の筋肉」です。完全な一枚膜ではなくて、食道や血管の通るところは穴があいています。(本来、横隔膜の下にあるべき胃の本体が、穴のところから少し胸側にはみ出てきて不快な感じがするのが “食道裂肛ヘルニア” ですね)この筋肉が緩んでいる時には、全体がドーム状に頭側に上がっています。そこから横隔膜が筋収縮すると、ドームが下方に下がって胸腔内体積が増え、空気が胸の中に入っていきます。すると、肋骨/胸郭がそれを受ける形で少し持ち上がり、広がります。つまり、横隔膜が緩んでいる時は息を吐いた状態=お腹がへっこんだ状態=呼気、横隔膜が収縮して下がっている時は息を吸った状態=お腹が出てくる状態=吸気の状態です。そういう呼吸を1分間に12回~16回くらいしているのが、私たちが無意識のうちに行っている健常で安楽な呼吸状態です。さらに厳密に言うと、腹式呼吸は横隔膜 “だけ” が行っているわけではなく、横隔膜が7割、一本一本の肋骨の間にあって下の肋骨を上方に引っ張り上げようとする「外肋間筋」が3割、とされています。youtubeでいくつか動画をみることができます(https://www.youtube.com/watch?v=hp-gCvW8PRY)が、意外と動いているんですね。
ところが、姿勢が悪いとこのビデオで見る横隔膜と胸郭の動きが、悪くなります。私たちでも例えば事務仕事で極端な猫背のままでいると、横隔膜と肋骨の動きが抑制されて浅くて速い呼吸になっています。

 要介護高齢者さんの場合、もともと関節の動きも悪くなっているし、横隔膜の筋力?も低下しているでしょう。そこに悪い姿勢のままでいると、極端に腹式呼吸が抑制されていきます。前回の写真、私が寝たきり老人さんの真似をした様子ですね、あんな風に脊柱が側弯に曲がっていたり回旋に捻じれていたりすると、私たちでも息苦しくなることが確認できます。健常な安楽な腹式呼吸は12回から16回程度と書きましたが、私が確認したところ例えば車椅子上で変な姿勢のまま座っている方の場合には、呼吸数が1分間に20回とかそれ以上になっている方がいらっしゃいますし、そういう方の場合に車椅子をきちんと合わせてあげると、呼吸回数が少なくなります。(変な姿勢で固まっている寝たきり老人さんの場合は、もっと呼吸数の増えている方も珍しくありません。)呼吸回数が少なくなる、というのは、つまり1回の呼吸で出入りする空気の量=一回換気量が増えて、深くてゆったりとした呼吸状態になる、と言うことです。

 ヘンな姿勢のままで放置されたら息苦しい状態になる、その息苦しい状態がずっと続いたら、、それがどんなに辛い状態か?そこをきちんと理解できている方は、まだまだ少ないと思います。

 それでも私たちは健常で若々しい身体をしていますから、猫背のままでもきちんと酸素を確保しつつ仕事を続けることはできます。私たち以上に身体が硬くなって動きにくくなっており筋力の低下をきたしている要介護高齢者さんの場合には、私たち以上に姿勢を気を付けてあげて安楽な呼吸状態を確保してあげないといけない、何せ自力で姿勢を直すことができないのが要介護高齢者さんですから!と考えています。


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