新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017
パラダイムシフト

自分のパラダイム/専門図式への自覚はありますか?その3


パラダイム論の最後であると同時に、ここまでの「総論」のまとめです。ここまでに、

  • 専門職にはそれぞれに、専門職が専門職であるその根本のところ/無意識レベルで、前提条件としての思考の枠組みや価値観があり、それを“パラダイム/専門図式”とよびます。

  • 医療と介護のパラダイムは、少し異なる部分があるようです。

  • さらに介護のパラダイムは未確立であやふやな部分があります。

  • さらに医療も生活支援の場においては、医療機関における専門職のあり方とは少し異なる「生活支援の場における医療職のパラダイム」をしっかり再構築するべきではないか?

  • ただしそういう混乱の解決を、国や学会に任せて待っていてもおそらく無駄ですよ。国や学会は、現場から起こった変化(パラダイムシフト)をあとから追認することしかできないと思います。

といったことを書いてきました。最後に「では、現場でどうするか?」です。

パラダイムシフト

  1. 相手のパラダイム/価値観を知り、自分のパラダイム/価値観を客観的に考え直し、パラダイムに食い違いのあることを確認し合う。「どちらが正解でどちらが間違い」ということではない、ということを確認し合う。

  2. その上で、生活支援施設における医療職/介護職(さらにはケアマネさんや相談員さんも含めて)スタッフ全員が共有できる基本的な価値観/思考枠を、施設全体として作り上げていく、という意識を全員がもつ。

  3. 具体的には、個々のケースに対する具体的なケアのあり方についての、反省・検討の機会を持つこと。形式的なものではなく、・各職種がそれぞれに、もっと良いサービス提供はできなかったか? ・もっと良いサービスを提供するために職種間の「連携」はどうあればより良かったか? を、真摯に検討すること。それはおそらく、施設内で暮らしていた方が亡くなったあとの「デスカンファレンス」や、医療機関に入院しておそらく帰ってこれないだろう、というタイミングで行われるものが、真に迫った検討となるのではないか?と思います。

 実際には、1~2~3と順番に行うわけではなく、3のような場面を通して1、2が進んでいく、ということだろうと思います。だからカンファレンスは、特定の職種が全体を引っ張っているようではダメです。その引っ張り役の職種の価値観で、検討内容や検討の方向性が決まってしまいますから。少なくともカンファレンスの司会役さんが、このブログに書いているようなことを(無意識的にでも)考えていてくれたらよいのです。それであれば、職種に関係なく誰が会議の引っ張り役になっても構わないと思います。

 そして、『施設全体で共有できる基本的な価値観/思考枠=パラダイム』を作っていく上で、このブログでこれまで書いてきたようなことを、知識としてや考え方の例として知っているといないとでは、ずいぶん違ってくるのではないか?と思います。
障害や疾病の見方~本人の身体の問題というだけではなく、私たちのあり方が障害状態を左右していますよ=ICF、延命治療ということ、寝たきりでの生命ということ、健康寿命という価値観の功罪、リハビリテーションという考え方、そして自分自身の仕事のあり方を無意識のうちに縛っている「パラダイム」という概念、そういったことを踏まえた上で「これから」を考える必要があると思っています。


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