燕弥彦西蒲食支援ネットワークの高井です。
先日、久しぶりに恩師のお話を聞く機会がありました。そのお話のなかに昭和のプロ野球の名プレイヤーである、通算本塁打868本の大打者 王貞治さんや優勝請負人の剛速球投手 江夏豊さんの握力は一般成人男性とさほど変わらなかった。というトピックがありました。
生まれ持っての素質もあるでしょうが、何もせずに超人的な能力を備えたわけではないので、打ち込みや投げ込みは人一倍にやっていたことでしょう。要するに、ポテンシャルを引き出すためには、単なる筋力・筋量のアップではなく、「打つ・投げる」といった一連の動作の運動機能の向上が必要なわけです。さらに感覚や反射を向上させるトレーニングもしていたことでしょう。
では、「食べる」という動作はどうでしょう。擦切ったり口からこぼれないようにする唇、口のなかで保持をする軟口蓋、食べ物を粉砕するための関連筋、のどに送り込む舌、食道に送り込むのど。全て筋肉が作用してます。もちろん筋肉だけではなく「口腔・咽頭の感覚や嚥下反射」も重要です。
どこに問題があって嚥下障害を生じ、どこをターゲットにどのようなアプローチを行えばいいのか。ということが重要で、十把一絡げに「嚥下障害だから〇〇を鍛えればいい」というものではありません。食べ物の味や温度を感じ、誤嚥リスクの低い食形態や食事方法で「実際に食べること」が、野球でいうところの打ち込みや投げ込み、練習試合のような実践的な練習に該当するんだと思います。
先日引退した平成の名プレーヤー イチローさんのトレーニング方法を調べたところ。むやみに筋肉を肥大させず、必要な筋肉をいいコンディションで養うというトレーニングをされていたそうです。