新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017

学習によって無力感が身につく


学習によって無力感が身につくという話です。

ポジティブ心理学の創設者マーティン・セリグマンは、無力感が学習される現象があることをある実験で発見しました。その研究とは

犬を部屋に入れて電気ショックを与える実験です。部屋Aには電気ショックを回避するボタンがあります。部屋Bには電気ショックを回避するボタンはありません。部屋Aの犬は電気ショックをボタンで回避できることを学習し、積極的にボタンを押す行動をとりました。しかし部屋Bの犬は、何をしても電気ショックが回避できないので、ついには何の行動も行さないようになり、電気ショックをただ受けるだけになってしまいました。

次に、どちらの犬も電気ショックをボタンで回避できる部屋に移し実験を続けました。部屋Aにいた犬は同じように回避するボタンを押す行動をとりました。しかし部屋Bにいた犬は、犬は何もしようとはしませんでした。すなわち無力感が学習された(学習性無力感)ということです。

これは他の動物(魚やネズミなど)でも同様の結果だったそうです。ストレスの回避困難な環境に置かれたとき、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという・・・「どうせ何をしてもだめだ」「自分にはできない」というあきらめ・・。そしてこれがうつなどのメンタル不調にも繋がるというので、怖いですよね・・・。

この実験、人間に行った場合、約3分の1の人は学習性無力感に陥らなかったそうです。そして、それらの方というのは、このような特徴があったそうです・・・

「楽観主義」

面白いですよね・・。「辛いことは長くは続かないだろう」「まあそのうち何とかなるだろう」とか考えるんですね~。こういった楽観主義特有の説明スタイルがあることがわかっていて、悪いことが起きても、その出来事の原因を外的・一時的・特異的に捉えちゃうんですね(この辺の続きはまた今度ご紹介したいと思います)。そして楽観主義であることで様々な効果が研究で証明されています。

無力感は学習によって身についてしまいます。

でも楽観主義であれば、無力感に陥ることを回避できる可能性が高まる、ということですね☆

さて・・

先日、慶応義塾大学で行われた日本ポジティブサイコロジー医学会学術集会でポスター発表してきました。学会のテーマは「働き方とポジティブサイコロジー」。学会ではマーティン・セリグマン博士からのメッセージや、サイボウズ株式会社の青野社長の講演など、超豪華な内容。今回学んだことと、今までの活動が繋がりまくりました。大切なことは社員の幸せ。では幸せの要素は何か。どうすれば社員の幸せを向上できるか・・・。やはり感謝の効果はすごいです。そして作業療法もすごいです(OTでよかった笑)。また整理してどこかでお伝えしていきたいと思います。

みんなのリハビリセンター
小山智彦 ご意見など tk0916thanks@gmail.com

Attachment-1

 


About the author

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です