「あなたは人生に感謝ができますか?」 児童精神科医 佐々木正美
これは私が大好きな本の中の一つであり、サンクス道を進める上で参考にした本でもあります。
この本のなかで児童精神科医の佐々木先生は、エリクソンのライフサイクル理論について触れ、自身の体験も踏まえながら、老年期についてこう述べています。
「自分の人生に感謝できて、相手と感謝しあえる人間関係のなかで、人は健全な老年期をむかえます」
人生のしめくくりとも言える老年期では、自分の人生への感謝、そして感謝しあえる人間関係の中で、自らの人生への満足感や幸福感を得ていくということです。
しかし、施設生活を送っている利用者様はどうでしょうか。自らの人生を振り返る機会も少なく、家族・親戚や友人との関わりも減り、さらには認知症などの精神疾患から、孤独を感じやすい状況に置かれていると言えます。残念ですが、このような環境の中では、自分の人生に満足し幸福を感じることのできる、健全な老年期をむかえることができない方々が多いのです。
サンクスカードは職員同士のコミュニケーションツールであると同時に、利用者様と感謝を伝えあうツールでもあります。実際に、活動を継続していくと、自然と利用者様がサンクスカードを書くようになり、利用者様(ご家族様も含め)と職員との間に感謝のやりとりが増えてきます。
「感謝しあえる人間関係のなかで、人は健全な老年期をむかえる」
利用者様とのサンクスカードのやりとりが増えることで、感謝しあえる人間関係を築くことができ、老年期を生きる利用者様の人生の支えに繋がるのではないでしょうか。まだまだ実践中ですが、利用者様の中には行動や言動に変化がみられる方もいらっしゃいます。その内容はまとまり次第また報告したいと思っています。
利用者様は日々
かけがえのない
人生の物語を
締めくくる老年期を
生きています
その物語の舞台が
たとえ施設での生活で
あったとしても
不安や孤独に苛まれず
出逢った人々や人生への
「感謝」の思いで彩られる
一つの物語であってほしい
社会福祉法人みんなでいきる
作業療法士 小山智彦
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