ご先祖様に感謝することで、自分の存在に価値があると感じることができます。
「今こうしているのは、父、母のおかげです」
施設にいるご高齢の方々から、こういった言葉をよく聞きます。どんなに年齢を重ねていても、自分の親だけでなく、ご先祖様への感謝を大切にする方々は多いのです。私の受け持った方の中にも、認知症になり様々なことを忘れてしまっても、親への感謝を語り続けた方は何人もいました。
親は子どもの幸せや成長をいつまでも願うものだと思います（私も親になってわかりました）。そんな親の愛情のおかげで今の自分がいます。ご先祖様がいて、親がいるから、今の自分がある。当たり前のことのようですが、ご先祖様に感謝する気持ちは大切なことだと思います。
そして、親やご先祖様には、大切にしてきた思いや、文化や、後世へ引き継ぎたい願いがあります。私たちはそれをどれほど認識し、受け継ぐ努力をしているでしょうか？
私の父は酔っぱらうと、何時間も昔の話や家族への思いを語っていました。酔っぱらっているので内容は支離滅裂ですが（笑）、その時は聞くのが本当に嫌でしたが（笑）、父なりに私に伝えたい思いがあり、それをちゃんと話してくれていたのは、今振り返れば本当にありがたいことでした。
今月は、また親に聞き直したり家系図を作ったりしながら、親やご先祖様の生き様や思いを整理したいなあと思っています。酔っぱらった父の話は断片的でまとまりがないので（笑）
そういった親の思いや愛情、ご先祖様の徳（人付き合いが上手とか、仕事で成功したとか、家族を大切にしたとか、頭脳が明晰とか、運動能力に優れているとか・・・）を受け継ぎ、今の自分があるとわかった時、感謝の念と共に自分自身は価値ある存在だと気付き、自分の命の大切さを感じるのではないでしょうか。
これは家族だけではありません。私達の仕事でも同じようなことが言えるのだと思います。私達は介護やリハビリの仕事を通して、大変な時代を生き抜き、命を後世に繋いでくれた方々と、関わり合える、感謝し合える、すばらしい仕事なのだと思います。私達は、お年寄りの方々の様々な人生やその思いを聞き、受け継ぎ“感謝”の念を持つことで、自分の仕事に、人生に、価値を見出すことができるのだと思います。
もうすぐでお盆ですね。
ご先祖様に感謝し、与えられた命に感謝し、お墓の前で手を合わせたいものです。
介護老人保健施設サンクス米山
サンクス道 師範
作業療法士 小山智彦
ご意見、ご感想などはこちら↓
tk0916thanks@gmail.com
プロフィール＆フェイスブックはこちら↓
サンクス道についてはこちら↓
社会福祉法人みんなでいきるについてはこちら↓
