新潟の介護がよくわかる 総合ガイド2017
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天使と呼ばれた介護職員


以前のブログで、4月頃からサンクス道をユニットに積極的に取り入れ始めた、佐藤さんという介護士さんを紹介しました。今日は、その佐藤さんのユニットであった出来事を紹介します。

ユニットリーダーである佐藤さんは、積極的にユニット内外にサンクスカードを投かんし続けていました。毎週、私はその報告を受けていたので、佐藤さんが投かんした枚数や、佐藤さんが受け取ったカードの枚数も把握していました。以前からブログで紹介していますが、サンクス道では「リーダーがたくさん投かんしても、たくさんもらえるわけではない」という現象が起こります。案の定、佐藤さんは毎週のように色々な人にサンクスカードを投かんしていましたが、たくさんもらうわけではありませんでした。予想どおりです・・・。

そんな状態が続いていましたが、とにかく「継続して投かんしよう」を合言葉に、やめることなくカードの投かんを続けていきました。

その結果、私や他の職員が感じるユニットの変化ですが、近頃こんなことが起きています。

〇ユニット内が明るい雰囲気になった
〇職員の笑顔が多くなった
〇レクや行事の時、利用者様に喜んでもらいたいという意識が高い
〇利用者様の可能性が広がるよう、介護士さんから主体的に案を出してくれる
〇体が不自由で寝たきりになりそうな方にも、積極的に離床する機会を作ろうと努力する
〇リハビリ職員がいないときでも、訓練的要素のある活動をやってくれる
〇利用者様やご家族様からサンクスカードをもらう機会が多い
〇ユニット内で「ありがとう」という言葉を口にすることが明らかに多くなっている
などなど・・・

また、母の日や父の日に、介護士さんから利用者様に「ありがとう」を伝えたようで、こんなものが利用者様のお部屋に貼ってありました☆
母の日

そして、父の日のあと、Aさん(入所者様)がこんなステキな川柳を作ってくれました!
父の日 俳句

「父の日や “天使”たちに 励まされ」

天使たち・・・あとでAさんに確認しましたが、天使は子どもや孫とかではなく“職員”なんだそうです。

Aさんは車いす生活から、体調を何度も崩し、今はベッドでの生活が主になっています。もうかなり高齢の方ですので、日々施設で生活しながら、きっといつか訪れるであろう死への恐怖とも闘っているのだと思います。そんな中、Aさんは日々の生活の中で、職員からたくさんのサンクスカードを受け取り、またAさん自身も力を振り絞りながら、職員へたくさんのサンクスカードを書いてくれていました。

私はこう思います。
Aさんはサンクスカードでのやりとりや日々の介護士さんとの温かな関わりを通して、お互いに感謝しあえる人間関係を築くことができたのだと思います。そして、人生の最期へと向かっていく孤独や不安と闘っていたAさんにとって、介護士さんたちは、その恐怖を少しでも和らげてくれる希望の「天使」だったのではないでしょうか。

「自分の人生に感謝できて、相手と感謝しあえる人間関係のなかで、人は健全な老年期をむかえます」 児童精神科医 佐々木正美
(佐々木先生の本については、以前ブログで書きましたのでこちらをご覧ください→人生への感謝の思いが、老年期の支えになる

かけがえのない人生の最期に出会う人は、温かな心で関わり合い感謝しあえる“天使”のような存在であってほしいものです。私たちの仕事は、そんな存在にもなれるステキな仕事なんだなあと、改めて感じました。

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