まだ私が臨床一年目の時の話です。９０～９７歳の利用者様５名程でグループ作業をしていたとき、みなさんがあまりにも明るく元気だったので、ある質問をしてみました。
「みなさん、どうしてそんなに元気で長生きなんですか？」と。
そうしたら、そこにいたあるおばあちゃんが言いました。
「小山さん、そりゃあね、人生辛いこともたくさんあるけど、受け入れることが大事なんですよ！こうなってしまったことを（体が不自由になったこととか）くよくよ嘆いていてもどうしようもないから。今を受け入れて、今自分ができることをやるしかないってね」
そうしたら、他の利用者様も同じように・・・
「そうそう、受け入れるしかないんだわ！そうなんですよ、小山さん。ねえ～みんな（笑）わっはっはは！」
当時の私は、なるほどなあ・・・となんとなく感じつつ、そんなことより利用者様の勢いに圧倒されていました（笑）
ここからお釈迦様の話です。
２５００年前、お釈迦様は「苦」の本質について「自分が思い通りにしたいのに、それが叶わないこと」と説いたそうです。ではどうすればいいか。思い通りにならないことが目の前にある場合、「『思い』そのものをもたないこと」で苦しみを少なくすることができる。そして思いへの執着をなくし、今を「受け入れること」で楽になることができるというのです。悩み・苦しみとは、「思い」を持っていて、その思いどおりにならないことを、思いどおりにしようと思うから生ずるというのです。だから今を受け入れることが大切だと。
さらに受けいれることの最高の形態は、感謝すること。お釈迦様はそれを「有難（うなん）」という表現で、「ありがとう」と感謝することが大事だよと、説いてます。（参考「釈迦の教えは感謝だった」小林正観←おススメです！）
仕方なく受け入れる、素直に受け入れる、喜び・幸せをもって受け入れる、そして感謝をもって受け入れるというふうに、私たちの心は「受け入れることを高めていく」ことができるではないでしょうか。
最初のおばあちゃんの言葉「今を受け入れて、今自分ができることをやるしかない」
こういったことを身近で学ぶことができる、教えて頂くことができる、リハビリや介護の仕事をして、本当に得しているなと感じる瞬間ですね。
今を受け入れ、感謝すること。そして、自分のできる事をみつけ、今できることを精一杯行う
シンプルですが、大切なことだなあと。忘れず日々を送りたいものです・・・。
先日、お釈迦様の誕生をお祝いする「花まつり」の行事がサンクス米山で行われました。利用者様の中には涙を流したり、お釈迦様の御像に手を合わせ、それぞれの思いとともに「ありがとうございます」と感謝の念を言う方も多くいらっしゃっいました。こちらにその様子が掲載されています↓↓
社会福祉法人みんなでいきる
介護老人保健施設サンクス米山
サンクス道 師範
作業療法士 小山智彦
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